あの日、双葉町であったこと「あって良かった持ち出し品」

iRyota25

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 ●第4回 あの日、双葉町であったこと「実体験的地震対策」
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次に災害時の一時持ち出し品について。これ、私自身が「あって良かったな」っていうものを紹介します。

手回し式ラジオ&懐中電灯

まず携帯ラジオとか懐中電灯。いま、手回しのタイプがありますね。ちょっと労力は使うけどそっちの方がいいです。たしかにちょっと疲れます。震災の後、乾電池が品薄になったの覚えていますか。自分が避難している避難場所に、救援物資として乾電池が届くかどうか、実際的に保証はできません。

自分が使ってるラジオは乾電池だよな。乾電池切れちゃったんだよな。電池いつ来るかななんて待ってるくらいなら、手回しの方があったらいいかなと思います。あれ、けっこう大変なんですよね。でも手回しの方がいい。いろいろな情報がラジオからわかるんで。懐中電灯も同じですね。懐中電灯とラジオがセットになってて手回しのもの、そういうのを持っているといいと思います。

ロウソク

ロウソクというと本当に非常用のイメージですが、私は使いましたね。懐中電灯も電池が切れて、どうしようもない時ってあるんです。地震の中でロウソクを使うっていうのは危険行為です。それでも災害時にはどうしようもない、いたしかたない時があるということを理解していただきたいと思うわけです。

防災ずきん・ヘルメット

小中学校だと登校するのにヘルメットかぶっていたり、学校に防災ずきんがあったりするんでこどもたちは持っているでしょう。あとは大人ですね。

ライター・軍手・ナイフなど生活用品

細かいものですが、ライターとか軍手とかあった方がいいっていう生活用品はいろいろあります。地震で倒れたりしたいろいろな物をどかしたりするのに軍手はあった方がいいです。必要です。

あとナイフですね。ナイフって言ってもこれ、五徳ナイフのことです。缶切り、栓抜きとかいろいろなのが付いているタイプです。あれはあった方がいいです。

開けられない缶詰がけっこう多く送られてくる

なぜかというと、避難所に届けられる救援物資の中には、栓抜きが必要な飲料とか、缶切りが必要な缶詰とかけっこうあったんです。缶切りが必要な缶詰で缶切りがなかったらどうします? これどうやって食えっていうのってことになってしまう。

でも実際あったんです、そういうことが。いまもうプルタブとか手で開けられるタイプの缶詰が当たり前って感じですが、そうじゃないんです。プルタブとかって日本独特らしいんですね。海外からの支援物資には缶切りがなければ開けられない缶詰がけっこうたくさんあるんです。だから缶切りとか栓抜きが一緒になった折り畳みの五徳ナイフはあった方がいいです。

衣類・紙おむつ

うちはこどもがいたんでね、欠かせませんでした。小さいお子さんがいる家庭は、用意しといた方がいいかなと思いますね。

水・飲料

1日3リットルとか言いますが、こどもなんかはね、「のど渇いた」ってことになりますから。小さなお子さんの場合、緊張感がないというか、その場を楽しんじゃうという感じがありますから、災害時でもいつもと同じように飲み物を欲しがったりするんですね。

その点、大人はほとんど飲みません。私自身3日間、ほとんど飲まず食わずで生きていましたから。飲み物もそうですけど、パンとか食べるものをもらっても、何をおいてもまずは「こどもに」ってことになりますから。で、自分は別に飲まず食わずでも生きていられたんです。食べたいとも思わないし、のどが渇いたともまったく思わなかったんですよ、不思議なことに。もうこどもを何とかしなきゃっていう、そういう意識になってしまうんですね。

薬・お薬手帳

持病をお持ちの方は忘れてはいけません。うちのおやじとおふくろもそうでしたけど。いまは「お薬手帳」っていうのがありますね。必ず持って行ってください。あれを持っていれば同じ薬をもらえます。持病のある方には大事かなと思います。

通帳・証書・印鑑・現金

これも持ってた方がいい、というか普段から持ち歩いていた方がいいかなと私は思います。タンスの中にしまっていても、例えば家が倒壊すれば持ち出せなくなります。倒壊した家の中って、どこに何があるか分からないらしいんです。

「タンスの中に私の現金が入っているのよ~!」って言っても、家が倒れてしまっていたら持ち上げることができない。もうどうすることもできないんです。だから、なるべくタンス預金はやめましょうということです。土地の権利関係の証明書なんかも、火事場泥棒に遭うとけっこう持っていかれるらしいですよ。どう使うのかはよく分からないんですけど。

大切なものは奥様のバッグの中に入れて頂いて普段から持ち歩くとして、まあ男の人はあまり現金とかそういうのは持たないかもしれませんね。普段から奥さんにがっちり握られているでしょうから。

倒壊しない家ならいいんですよ。でも家が壊れてしまったらどうにもならないってことを覚えておいてください。なかなか難しい問題なんですけどね。

非常用食料

非常用の食料って、いろいろなものがあります。これはもう皆さんのお好みのスタイルで買いためておいていただけたらいいかなと思います。

ひとまとめにして持ち出せる場所に

で、これらをひとつの袋にということです。いつでも持ち出せる場所、自分の手元とかに置いておけば、何かあった時にそれを持って脱出できる。その備えが大切だと思うんです。

皆さんそれぞれで考えてほしい

ここで紹介したのは、ご参考までにということです。人によってこれは使う、いらないということはあるでしょう。皆さんがそれぞれ考えて頂ければいいかなと思います。

(つづく)

書きおこしと編集●井上良太

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