被災地からの冬便り「初雪」

iRyota25

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先週から冬の便りがちらほら。陸前高田や大船渡のような海辺の町では晴れていても、ほんの数km内陸に入ったあたり(仮設住宅があるあたり)では雪が舞っていたりもするようです。今年一番早く「初雪」の声を聞いたのは、もう2週間も前、11月の中旬のことでした。

今年は早かったね。

石巻のAさんは先週末、高校時代の同級生が営業マンをしている工場へ「特別に」お昼休みにピットイン。スタッドレスタイヤに交換してもらったそうです。工場は午前も午後も予約満杯。コネがなければどうなったことやら。

あまり雪が降らない地方から被災地に引っ越した人たちにとっても、「いつスタッドレスに履き替えるか」は大問題だったようで、複数の知人から「いつ頃?」と当方にまで問い合わせがあったくらい。地元の人たちは「念のために11月の末ぐらいに履き替えればいっか」などと話していたそうですが、先週からの寒波到来で、カーディーラーや用品店、スタンドなどへ駆け込む人が多かったのだとか。

こんなに空が青かったのに、はらりと雪が降ったかと思ったら、数時間の後には遠くの山は白く雪化粧していました。

こんなに空が青かったのに、はらりと雪が降ったかと思ったら、数時間の後には遠くの山は白く雪化粧していました。

東北地方でも太平洋の沿岸部は、がっつり雪が積もることは年に数回くらい、なんて話も聞きますが、降られてしまったら身動きが取れなくなってしまいます。まして、仮設住宅や仮設の商店街が内陸部につくられていることを考えると、冬用タイヤは早めがいいですね。

ちなみに、昨年の初雪(宮城県北部と岩手県南部)は11月27日でした。気仙沼の漁港にもどりガツオをおろしたという静岡県からの漁船の船員さんと立ち話していたら、はらりと白いものが。「あぁ、雪だ。初雪だよ」と顔を見合わせたのを憶えています。

気仙沼では白いものが花びらのように舞う初雪でしたが、県境を越えて陸前高田に入ると景色が一変。旧・気仙町の「黄色いハンカチ」の広場は猛吹雪の様相でした。向かいの諏訪神社への仮設の階段がかすんでしまうほど。旗竿の根本の風の吹き溜まりには、降りしきる雪がうっすらと固まっていました。上空の寒気の張り出し具合や風向き次第で、暖かいはずの沿岸部でも天気が急変することがあるようです。

雪道の運転に「100%安全」はないそうで

蛇足ながら、豪雪地帯指定を受けた新潟県の知人の話をひとつ。

もう10年近く前の話ですが、知人宅を訪ねたところ予想外のドカ雪。翌日用事があったので、夜中に運転して帰るつもりだったのですが、「これだけ積もると慣れていない人には危ない。どうしても今夜帰るっていうのなら、インターまで一緒に行くよ」と、こっちのクルマを運転して送ってくれたのです。彼の帰り道のために奥さんまで後続してくれて。締まった雪の上に何十センチも新雪が載った路面はたいへん滑りやすいようで、インターまでの10数kmの道のりでは、橋の欄干にぶつかったもの、側溝に落ちたもの、田んぼに落ちたものとクルマが3台ギブしているのを見かけました。「ほら、地元の奴らでもこうなんだ。雪道は、ホントに危ねえんだよ」。

もちろん知人には深く深くお礼を言ったものです。で、その翌年の冬、彼の家を訪ねるとクルマが新車に変わっています。「あ、いいな。買い換えたんだ」などと話しかける横から奥さんが顔を出して、「あれー言ってなかったんだ。あのね、この人ね、こないだ田んぼに落っこちたんだよ。しかも車は横転して全損。かすり傷ひとつなかったから良かったようなものの、お巡りさんも奇跡だって話してたんだ」と教えてくれた。バツの悪そうな顔で知人氏が一言いったのが、

雪道の運転に「100%の安全」なんかないんだ。

雪道を走るときは、慣れとか経験とかテクニックは大切だ。でもね、どんなに上手くても、俺みたいに冬に仕事でクルマを乗り回していても、安全だって自信もっていられるのは99%までだ。残りの1%は、何がおきるかわからねえんだよ。

記憶をたどって彼の言葉を書いていたら、昨年の冬の石巻で、やはり珍しく大雪が降った夕方、踏切の一旦停止で宅配のクルマがスリップしていたのを思い出した。

雪道に「絶対」はないのだとか。東北のみなさん、そして東北に移り住んだばかりで不慣れなみなさん、これからの季節十分に気を付けてくださいね。

●TEXT+PHOTO:井上良太

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