【速報】女川58-47府中第九(浜松アリーナ 2013年8月23日)
試合開始直後はボールが手に着かなかった。
高くて強い相手にシュートが阻まれる。リバウンドが取れない。
一時はダブルスコアに離された。
苦しい展開に、応援席の父兄から「しっかりやれー」と怒声のような激励が飛ぶ。
それでも追い付いた。リードを奪った。しかし点差はなかなか開かない。
「うちは守りのチーム。最初は相手の高さにびびってたけど、しっかり守っていけば自分たちのペースになる。とにかく、このままの調子で行ってほしい」
ハーフタイムに選手のお母さんが語った通りの後半になった。
点差は開かないものの、リードは守る。
ここで決められると苦しくなる、というピンチを何度もしのぐ。
でも、ここで一本決めれば楽になる、というところでなかなかシュートが奪えない。
それでも、リードを守り続けるの女川の守備の堅さに、相手のミスが目立ち始める。
残り1分を切り、時間がコンマ秒表示になった時、点差は10ポイントに開いていた。
「勝てるの?」と驚きとも喜びともつかない声が応援席にこぼれる。
「最後の最後まで、気を抜かずに応援するよ!」そんな声も聞こえる。
泣きそうなくらいだった。
選手たちに思いが届くように思いっきり手を叩いた。
最後には叫んでいた。頭のなかではなぜかコバルトーレの応援歌が鳴り響いていた。
女川中学勝利。
応援席に挨拶するこどもたちの上で、
「夢は必ず叶う!がんばる女川!」の横断幕が叫んでいた。
●TEXT+PHOTO:井上良太(ライター)
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