[2013年7月27日 宮城県石巻市]
いーくうかん。
本がたくさんあってゆったりできる場所。
石巻の街なかに、本を真ん中においたコミュニティスペースがオープンしました。
これまで全国で一箱古本市を開催したり、被災地に本を届けるプロジェクトを行ってきた「一箱本送り隊」と、震災を機に石巻を世界で一番面白い街にしようと活動するISHINOMAKI2.0が中心となり、たくさんの町の人たちと手に手を取り合って7月27日、いよいよグランドオープン。
「石巻 まちの本棚」がオープンしたのはもともと本屋さんだった場所。
京都の建築家畠山サトルさんが建屋を建てるワークショップを行ったり、飛騨高山の左官・挾土秀平さんを招いて、漆喰壁を塗るワークショップを開催したり。内装や本棚の制作にも石巻の人たちが参加。アートと本が大好きな小学6年生の男の子もワークショップの常連でした。
本が大好きな人が訪れて、本を中心にゆったりしたつながりが広がっていくような、素敵な場所。本屋さんとも図書館とも違う、心地いい空間。これまでにないこの本棚の雰囲気を例えるなら、この日街なかで開催されていた一箱古本市に近いかも。
本の内容のこと、装丁のこと、作者のこと、はては活字の種類やレイアウトのことなどなど。一箱分の書籍をはさんで、素人の店主とお客さんが本の話題でやりとりする。本をとおして少しだけ、相手のことがわかった気になれる。そんなゆるくて、心地よいつながりが、きっと生まれていくところになるのでしょう。
寄贈はいまも受付中とのことだったので、一箱古本市で購入した本を「石巻 まちの本棚」に寄付してきました。
石ノ森章太郎の伝記マンガと、震災直後の萬画館の写真が掲載された旅行ガイド、それから、一目ぼれして買った後、地元の人に「あの本ほしかったなあ」と言われて寄贈することにした本。きっと、みんなの蔵書として、たくさんの人に読んでもらった方がいい本だってある。
メッセージカードを書くのも楽しい。この本をどんな人が読むんだろうと想像するとわくわくです。
石巻へはぜひ一冊、あなたの大切な本を持っていきましょう。石巻の人たちに読んでもらいたい一冊を厳選して。
石巻 まちの本棚
石巻市中央2丁目3-16
●TEXT+PHOTO:井上良太(ライター)
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