宇津木瑠美・・・ゲームメーカーに進化したレフティーボランチ 【なでしこジャパン・選手名鑑】

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 アルガルベ杯でベールを脱いだ新生なでしこジャパン。2年後のカナダワールドカップ、3年後のブラジル五輪に向けて、若手に経験を積ませるという佐々木監督の狙いが話題を呼びました。澤、宮間らのベテラン組を外し、U-20代表から田中陽子、田中美南など初代表組を多く選出した新生なでしこ。今大会で注目の選手をピックアップしたいと思います!

【宇津木 瑠美】うつぎ・るみ

生年月日:1988年12月5日(24歳)
出身地:東京都
身長・体重:168cm

在籍チーム:モンペリエHSC
ポジション:MF
背番号:7
利き足:左

アルガルベ杯で最も進化を見せた選手

 これまでの宇津木瑠美のプレースタイルは、中盤の底で攻撃の芽を摘み取る潰し屋というイメージがありました。僅差でリードしているゲーム終盤、逃げ切りを図るためにクローザー役として出場させるのが通例でした。

守備のスペシャリストとしてボランチ、サイドバック、センターバックまでこなすユーティリティ性がストロングポイントだったと思います。しかし、今大会の宇津木はボランチの一角としてレギュラーを確保し、自身の持つ守備的なイメージを完全に払拭する進化を遂げたと思います。

ゲームメーカーとしての素質を開眼する

 驚いたのは優れたビルドアップから生まれる左足のパス。ワイドな視点でフィールド全域をカバーし、絶妙のタイミングでスペースに出されるミドルパスの威力は絶大でした。デンマーク戦ではセンターサークル付近でDF2人を巧みなターンで振り切ると、40m近い一発のロングパスでディフェンスラインを突破。ペナルティエリアに飛び込んだ大儀見のゴールをアシストする神業パスを披露しました。

中盤のレジスタとして攻撃の起点となり、ときにはバイタルエリアまで進出して強烈なミドルシュートを放つなど、ゲームメークからフィニッシュまで絡む高いオフェンス能力を見せました。センターバックにポジションを移しても、最終ラインから一気にトップに蹴り出すロングフィードで攻撃の起点になりました。

総括

 宇津木瑠美の代表での立ち位置は、いい意味でとらえればディフェンスの切り札、悪い意味でとらえれば便利屋として使われたきた感があります。しかし、今大会の宇津木のパフォーマンスは素晴らしく、レギュラーボランチの澤や阪口からポジションを奪う可能性も見えてきました。

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