ヒゲ脱毛に大金を積むホストの焦り 【噂のホストNo.1】その14

naoki1014

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 ホストクラブとは男性従業員が女性客の隣に座って接待をする飲食店。主役はあくまでもお客様である女性です。ホストは女性を良い気分にさせて喜ばせるのがお仕事です。「イケメン!色恋トーク!枕営業!自分の持つ武器を駆使して女性を満足させてみろ!」という成果主義の特殊な世界。そんなファンタジーワールドに迷い込んだホスト体験記を告白します。

モテる男の第一条件は清潔感

「清潔感のない男は無理!」という女性は多いでしょう。ホストの理想はモテる男の象徴的な存在であり、清潔感は必須条件と言えます。じゃあ、自分に清潔感はあるか?と聞かれたら答えは否!今どきのイケメンは女性的な甘いマスクが好まれる傾向にあります。それに比べると自分のフェイスは眉が濃く、エラの張った男性的な顔立ちです。体毛の濃さに比例してヒゲも濃く、肉体のパーツを考えればホストという職業に逆行しているのです。

メンズエステでヒゲ脱毛を試みる

「清潔感がなければ女にモテない!」と一念発起しました。某有名メンズエステに電話すると、「とりあえずカウンセリングを受けてみませんか?」と提案を受けました。駅前にある某メンズエステに入店すると、受付の窓口に女性顔負けのツルツル美肌のお兄さんが登場!診察室に案内されました。

カウンセリングが始まるとマープのCMで見たようなマイクロスコープを顔に当てられました。地肌が100倍くらいにクローズアップされ、目の前のディスプレイに地肌が映し出されます。ブツブツした黒点がヒゲの剃り跡らしく、ヒゲの1本1本に針を刺して電気を流し、毛根を死滅させて永久脱毛するそうです。

暴走して60万円コースに申し込む

 顔全体をツルツルにするには60万円くらい必要だと言われてビックリしました!美容エステはカウンセリングで客を脅し、多額の医療費をボッタくるという話をTVで見たことがあります。このパターンはTVで見たのと同じかも?と思いつつ60万円コースを即決で選択しました。

店員:「60万円分のクーポンカードです。月々3万円の引き落としになります」
僕 :「60万、全て使い切らなくてもいいんですよね?」
店員:「はい、お客様の判断でいつでも解約できますのでご安心ください」

僕は焦っていました。売れない原因を全て顔のせいにしていたのです。ツルツル美肌をゲットしたら清潔感が手に入る!顔の印象が変わればモテて売れて美容代なんてすぐに回収できるさーーー!!完全に暴走です。自分の計画では短期集中的にエステに通いつめ、口元のヒゲだけを高速脱毛して完了!10万円くらいで解約して逃げようとしたのです。

顔面もふところも死ぬほど痛い永久脱毛!

 初診から3日後。脱毛治療を受ける日になりました。手術台の上に仰向けになると強烈なライトで顔面を照らされます。「ピピッと音がしたときに電気を流します。少し痛みますけど我慢してくださいね」医師のお姉さんの指示に従い、全身をリラックスさせて治療に臨みます。

「ピピッ!」

電気信号を知らせる音が鳴った瞬間、毛根に激痛が走ります!ワイヤーのような硬いヒゲを死滅させるのですから半端なパワーじゃありません。ピピッ!と音がする度に顔面に強烈な痛みが走って涙が止まりません。小一時間、顔面に根性焼きされているような気分でした。

医師:「見てください!すごく綺麗になりましたよ~」
僕 :「あ、確かに・・・」

電流を受けた口元は真っ赤に腫れているものの、汚らしい無精ヒゲは綺麗さっぱり跡形もありません。号泣しながら治療を受けた甲斐がありました。

医師:「次回はアゴの毛を処理しますので、少し伸ばしておいてくださいね」
僕 :「わかりました」

脱毛治療した患部をしばらく冷やした後、窓口に会計に向かいまいす。

店員:「本日のお会計、4万5千円になります」
僕 :「・・・!」

高~~~~~~い!!!!
予想以上の金額に面を食らいました!
これでは目標の10万円に収まるか分かりません!
言いようのない不安を感じながら、僕は無言でクーポンカードを差し出しました。

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