3月11日の光景。女川町とAKB48

iRyota25

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「寒そうね。早く帰らせてあげたらいいのに」
3月11日、午後4時過ぎ。女川町立医療センター駐車場に設置された東日本大震災慰霊碑の周りにできた人垣のあちこちで、そんな言葉が聞かれました。

20メートルもの大津波がこの場所に襲いかかり、高台に避難してきた人までも呑み込んでいったあの時から2年という時間が経過したこの時、AKB48のメンバー6人と秋元康氏が献花のために訪れていたのです。

まゆゆ、ぱるるら6人のメンバーは、女川さいがいFM前に停められた仙台ナンバーの観光バスから降りると、無言のまま慰霊碑に向かい、一人ずつ献花して黙祷していました。ミニスカートの足もとは、たしかに寒そうでした。

[写真] バスを降りたメンバーはまっすぐ慰霊碑へ。その後をマスコミや関係者が続きます。

[写真] 女川町の慰霊碑には全国からたくさんの思いが寄せられています。

[写真] 献花を終えたAKBメンバーがバスに戻る様子を撮影した後、マスコミ関係者のうち数人が慰霊碑の前に戻ってきて手を合わせていました。

この日の朝のニュースでは、移転するJR女川駅周辺に商店街が新たに作られることになったこと、そして新しい商店街を秋元氏がボランティアでプロデュースすることが報道されていました。ニュースによると、1月に秋元氏が女川町を訪れた際に、町側から依頼されその場で快諾したのだとか。

たしかににちょうどその頃、秋元氏らしき人物が、町の職員らに囲まれて、おちゃっこクラブ裏の避難階段の踊り場から女川駅方面を視察している場面に遭遇したことがありました。

町の再開発計画がなかなか進まない中、女川町の住民、とくに仮設住宅で暮らす人たちの間では「商店街が将来どこに移るのか」が大きな関心事のひとつになっています。現在の仮設商店街は、多くの人たちが生活する仮設住宅からは遠い上に、バスの本数もバス停も少なく不便で、車のない人たちにとっては大変暮らしにくいからです。

ミニスカートで直立不動の姿勢で黙祷する6人と、黒いスーツの秋元氏の姿を眺めながら、1月末に「快諾」ということなら、もっと早めにアナウンスしてくれていればよかったのに、と思いました。

「寒そうね」とAKBのメンバーを気遣っていた地元のお母さんは、駅前に商店街が新設されることを、その時までご存知ありませんでした。

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●TEXT+PHOTO:井上良太(株式会社ジェーピーツーワン)

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