日帰りから滞在まで、表情豊かな街並みの島
白砂の道に周辺の石垣。水牛が緑のトンネルを抜け、太陽光の注ぐ空の下へ。三線の音色が穏やかに響く、誰もが描いたことがあるだろう南国の風景。それらをそのまま見せてくれる島があるとすれば、それはきっと竹富島です。赤瓦屋根の伝統的な街並みは、その価値が高いとされ、伝統的建造物群保存地区に指定されています。 石垣島を中心とする八重山諸島のひとつで、その石垣島から船でたったの10分。一日に数十本の便が出ていることから、島としては非常に行き来が容易な島でもあります。そのため、日帰り観光が可能で、人の出入りが比較的多いのも特徴のひとつ。旅行会社などのツアーとしてコースに組まれることも多く、日中は大いににぎわいを見せます。しかし、船の最終便が出港するとそれまでのにぎわいが嘘のような静けさを取り戻し、夜は長期滞在者や島民を中心とした、またひと味違う竹富島の表情に。多くの観光客が訪れる島だからでしょうか。それぞれの旅行スタイルに合った楽しみかたが用意されている粋な島なのです。
竹富島はサンゴ礁が隆起した島で、周辺の海域は比較的平坦、標高も低いため、展望塔であるなごみの塔を除けば、それに次ぐ高さは赤瓦の民家群というほど。歩いて疲れるような道がほとんど無いのも人気のヒミツです。 特有の街並みや、それらを一望するなごみの塔、人気のコンドイ浜など、見どころは多々ありますが、最も注目すべきは島がまとう空気。ひとつふたつの建造物や施設以上に、それらが醸し出す竹富島特有の空気を肌で感じてください。
竹富島の見どころ
景色を楽しむ
コンドイビーチ(場所)
竹富島を代表する遠浅のビーチで、ビーチの人気ランキングを行うのであれば、全国でも5本の指にランクインするのは堅いでしょう。事実それほどの人気を誇るため、夏は非常に混みあいます。透明感抜群の海が空の青を鏡のように映しだします。白の砂浜とのコントラストも美しく、まずは目で楽しめる浜と言えるでしょう。干潮時は遠くの沖まで歩けるほど。自分なりのお気に入りの景色を探してみては。
カイジ浜(星砂の浜)(場所)
コンドイビーチの南隣、遊泳禁止でひと気も少なく静かな浜です。しかし、別名・星砂の浜と呼ばれるほど、砂に注目したいカイジ浜。手のひらにひとすくい、砂をすくってみると、形の綺麗な星砂がたくさん見られます。星砂自体、八重山諸島では珍しくありませんが、ここで採れる星砂はひときわ形が綺麗と言われます。見て比べて確かめてみてください。
小城盛(クスクムイ)(場所)
八重山の海を行き来する船を監視する目的で、八重山諸島の島々18か所に点在する遠見番所群のうちのひとつ。江戸幕府の鎖国政策時、異国船を見張るため、薩摩藩の要請で設置されました。石垣の上にさらに石積みが施され、高さもなかなかのものです。当時は当然ながら情報伝達手段が乏しかった時代。何かがあった時はここからのろしを上げて知らせたそうです。
西塘御嶽(場所)
琉球王国だった1524年(大永4年)当時、八重山地方の統治を命じられたのが、竹富島の西塘です。人望のあるリーダーとして人気を博したそうで、今なお島の守護神・豊作の神として祀られています。島には「賢くさや打つ組みどぅ勝る」という西塘の遺訓が根付いています。これは「協同一致の精神は、一人の人の智慧に勝る」という意味。人口の少ない島でありながら数多の観光客を受け入れる土壌の礎には、この精神に則った島民気質があるのです。
なごみの塔(場所)
竹富島の北半分に民家が集中し、集落を成す竹富島ですが、その集落の中心には赤山公園という小さな公園があります。たったの標高24mですが、標高の低い竹富島にとっては立派な高台。そしてその公園の中心にあるのがなごみの塔です。巨大な岩が階段のように整えられており、そこからそびえるコンクリート造りの塔。登ると竹富島の赤瓦屋根の家々や東シナ海、さらに八重山の島々が見渡せるオイシイ場所です。実際に見ると分かりますが、非常に狭く、同時に3人は登れません。昇り降りも少し気を付けたほうが良いです。それでも、そこから見える景色はホンモノ。
仲筋井戸(なーじかー)(場所)
どの島にも言えますが、定住化が進む際、水資源の確保に苦労する歴史がありました。そんな背景のなか、水量に恵まれ、竹富島の生活を支えてきたのがこの仲筋井戸(なーじかー)です。今でこそ水道が通っている竹富島ですが、正月や出産などお祝いごとの際は、この井戸水が使用される文化が残ります。その昔、干ばつに見舞われていた仲筋村(当時の井戸周辺)。そんな仲筋村の村建ての神と言われていた新志花重成(アラシバナカサナリ)の飼っていた犬が、干ばつ状態にも関わらず尻尾を濡らしてたのだとか。このエピソードが井戸の発見に繋がったと言われています。神の犬もまた神・・・ですね。
ンブフル(場所)
仲筋井戸の向かい側。集落から少し離れた場所から島を一望できるため、なごみの搭とはまた違う景色が広がります。ここは牛丘(うしむる)とも呼ばれています。その昔、仲筋村で飼っていた牛が夜中に動きだし、その角と体を駆使して一夜のうちに丘を築き上げたという伝説が由来。牛が創った丘ということで牛丘です。噛みそうになる「ンブフル」という名前、これはその時の牛の鳴き声だとか。なるほど・・・。
施設を楽しむ
竹富島ビジターセンター(竹富島ゆがふ館)(場所)
竹富島の伝統文化や芸能を伝承する役割を担う施設。玄関口ゆえに観光案内も行っています。「ゆがふ(世果報)」とは「天からのご加護により豊穣を賜る」という意味だそう。
(公式HP)
竹富民芸館(場所)
竹富島と言えばミンサー織ですが、そのミンサー織をはじめ八重山上布など、島の伝統的な織物技術を正しく継承・発展させるために設立されたのが竹富民芸館です。展示も詳しく、入館料も無料。販売も行っており、気に入ったものがあれば購入も可能です。
喜宝院蒐集館 (きほういんしゅうしゅうかん)(場所)
日本最南端のお寺・喜宝院と、民芸品や文化資料をおよそ4000点集めた蒐集館があります。八重山諸島の島々には「日本最南端の○○」といったものが多く、それだけでなんだかありがたい気分に・・・。お寺と言えど、竹富島独特の景観に馴染んでいて、思わず感心してしまいます。
(公式HP)
竹富島の情報あれこれ
【名 称】竹富島(たけとみじま)
【所在地】
沖縄県八重山郡竹富町(地図)
【面 積】5.42㎢
【周 囲】
9.2km
遊 び
海水浴、シュノーケリング、ジェットスキー、グラスボート、水牛車観光, 観光ガイドバス、散策
最終更新:
ueue52
こういう場所に住みたいんだけど、仕事とかあるんですかね?
すごく気になります・・・
shima
ありますよ~!
しかしかなり賃金が低いこと、その割に競争率が激しく高いこと。
これがネックといえばネックですかね・・・。
住んだはいいが島の不便さに耐えきれなくて内地に戻る人が多いってのが、沖縄が抱える問題だそうで・・・。
骨をうずめる覚悟でなければリスクは高いです。。 ̄、 ̄;