ヘチマ - 食物繊維が豊富な健康野菜【変わった野菜】

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ヘチマって食べられるの?

 ヘチマという野菜をご存知でしょうか。人とは割と接点の多い植物だとは思われます。繊維質が豊富な植物のためか、元々は糸瓜(いとうり)、それが訛って"とうり"と呼ばれていたそうです。では何故ヘチマと呼ばれるようになったのか。さらに調べてみると、「いろは歌」に由来するのだとか。 「いろはにほへと ちりぬるを」

"とうり"の"と"は「へとちの間(ま)に位置しているからへちま」という記述が多かったです。一瞬「へぇー!」と思いましたが、よく考えてみると少し強引すぎるような・・・。 他の説として、繊維がめぐらされたな実が成ることから「綜筋実(ヘチズミ)」と呼ぶ説があるとも言われていますが、結局のところ、よくわからないようです。とにかく、糸瓜と書いてヘチマと呼んでおけば、生きていく上では問題なさそうですね(笑)。

 そんなヘチマ、「それよりも食べられるの?」って思う人も多いかと思われます。 筆者も以前はそう思っていました。どちらかと言うと、小学生の子供たちの実験台として畑で育てられている印象(最後はタワシにされる)や、化粧品として美容成分が謳われている印象が強いです。ところが、ヘチマは主に沖縄を中心に食用とする文化もあるのです。

繊維豊富、沖縄ではイケてる野菜

 沖縄や鹿児島県南部では、主に花が落ちて10日前後の未熟な果実が市場に流通しており、日常的に食べられています。実は南国では立派な夏野菜。ほかの野菜と同じく、ヘチマ単体でそれほど「うまい!」というものではありませんが、古くから高血圧予防、咳止め・利尿・美容などの効果があるとされ、食用として親しまれてきました。一方で、本土と同じようにタワシ(鍋洗い)としても使われていたことから、沖縄では「ナーベラー(=鍋 洗い)」と呼ばれています。 主にみそ汁の具や、炒め物、煮物に使われ、塩気のある料理に対して、ほんのり甘いヘチマがなかなか美味しかったりします。若い果実のうちは、豊富な繊維質も気にならないほど食べやすく、キュウリやナスに近い食べ物だと思えば良いでしょうか。沖縄の家庭や食堂では「ナーベラーの○○」といった料理も多く、よく見かけます。

 しかし「鍋洗いという意味の呼び名が料理の名前になる」ってのも、良く考えるとなかなか凄いもんです(笑)。 

2つのポイント

1.みそとの相性抜群

 食感が滑らかなヘチマですが、何よりもみそとの相性が抜群!「ナーベラー入りみそ汁」「ナーベラーのみそ煮」「ナーベラーのみそ田楽」「ナーベラーのみそ炒め」・・・等々。ヘチマはだいたいナスくらいの大きさ。民宿や食堂の料理などではよく小鉢で出てきます。甘辛みそとヘチマ、それと一緒にご飯・・・これだけでなかなかご飯が進みますよっ。唐辛子を振ってピリッとさせるのもイケちゃいます。沖縄ではみそで調味した料理が特に多かったりします。 

2.豊富な食物繊維

 糸瓜と書くほどですから、食物繊維の豊富さは言わずもがな。ただでさえ、昔から民間療法や美容面で重宝されていたヘチマ、身体にとっても良い働きをしてくれるようです。整腸やがん予防にも効果が期待されます。さらにコレステロールや老廃物を体外に排出するほか動脈硬化、糖尿病といった生活習慣病の予防にも効果があるとされています。 思えば沖縄と言えば、長寿県の代表格。こんな食材を日常的に食べていれば、そりゃあおじいもおばあも長生きするってもんでしょうか。 

一方でさすがの沖縄も、近年は中年以下の世代の平均寿命が下がってきているようです。長寿を支えているのは今も65歳以上の高齢者だそうですが、今や長寿県と言い切れないほど平均寿命が低下しているとか。食生活の変化が原因とも考えられているようです。あらためて食生活の大切さを考えさせられます。

(参照)
長寿地域沖縄にも陰り? 短命を招く現代食 (「食」の安全・社会問題・ニュース 2006年09月04日付)

かんたんレシピ

みそ炒め

熱したフライパンに、油、島豆腐、ポーク(SPAMなどのランチョンミート)、皮をむいて厚さ5mmで半月切りにしたヘチマに、島ねぎ(またはニラ)を順に炒め合わせ、あわせみそ(みそ、みりん、醤油 5:1:1程度)で出来上がり。(水分が出るので炒めすぎ注意)

みそ田楽

皮をむいて3~4cm程度の厚さに切ったヘチマを、形が崩れないようにサッと湯がいて、みそとみりん(みそ、みりん 3:2)を混ぜた調味料を塗って完成。(湯がかずフライパンやグリルでみそごと焼いても美味)

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