かきとみかんが美味しい
岡山県の端、南東に位置する備前市日生町(ひなせちょう)。その日生町から瀬戸内海へ目を向けると、海の上に有人島5島、無人島9島の計14の島々が顔を出しています。その大半が日生町に属しており、まとめて日生諸島と呼ばれています。 この一帯は瀬戸内海国立公園に指定されており、内海の多島海景観が美しく、見ごたえがあります。日生諸島もそうですが、港からぼこぼこと突き出るように島々がそびえているため、傾斜も急な島が多いのも特徴です。そのため、比較的なだらかな頭島に人口が集中しており、宿泊施設も多くが頭島にあります。
全体的に海ではかきの養殖、農園ではみかん栽培がさかん。秋から冬に掛けてはみかん狩りを楽しみに観光客が訪れるため、夏の海水浴客と合わせて、通年賑わいを見せています。 上述のみかん狩り・海水浴客で賑わう頭島、鴻島に加え、古代生活が体験できる鹿久居島や、浸食地形など見ごたえのある景色が点在する大多府島など、島ごとに楽しみかたも色々!島めぐりがオススメです!!
※ 記事中では日生諸島の有人島5島のうち、鹿久居島、頭島、大多府島を取り上げます。
日生諸島の情報あれこれ
鹿久居島
【名 称】
鹿久居島 (かくいじま)
【所在地】岡山県備前市 (地図)
【面 積】
10.17㎢
【周 囲】28.0km
岡山県内では最大規模の島で、その大半が国設鳥獣保護区集団渡来地に指定されている、良好な自然環境が人気の鹿久居島です。その名の通り、野生の鹿がたくさんいる島で、島のいたるところで見られます。面積は最大ながら、人口は少なく、のんびり過ごすにはもってこいの広々とした環境!!そんな環境を活かした「古代体験の郷・まほろば」も人気です。
島を遊ぶ
古代体験の郷「まほろば」
縄文時代・弥生時代の遺跡も発掘されている鹿久居島。緑に覆われ、動物たちが多く暮らすその恵まれた環境を活かし、縄文時代の集落を復元したのが古代体験の郷「まほろば」です。ここは、自然にあるものを活用し、「太古の人間の知恵と生活」を体感できる施設。貫頭衣を身にまとい、釣りや収穫にて食料を獲得、火おこしで調理し、食欲を満たした後は竪穴式住居にて就寝・・・。まさに人間の原点ともいうべき生活を体験できるのです。夕日が沈むと同時に体を休め、朝日が昇ると同時に目をさます。非日常な空間での貴重な体験、きっと格別な楽しさのはず!
(公式HP)
海水浴(大浜海岸、千軒湾)
島の海岸沿い、ペンション「みかんの郷」の下にある大浜海岸、「まほろば」までの道程にある千軒湾は、それぞれ海水浴スポット。風光明媚な景色を楽しみながら、海に浮かぶ・・・自然に溶け込むとはまさにこのこと。
景色を楽しむ
鹿久居中央園地
地元の人からは「鹿のたまり場」と言われるのがここ。鹿のほか、猿やキジ、イヌ・・・ではなく、イノシシに出会うこともあるとか・・・。
頭島
【名 称】頭島 (かしらじま)
【所在地】
岡山県備前市 (地図)
【面 積】0.60㎢
【周 囲】
4.0km
大きな鹿久居島から200mほど南に離れた小島が頭島です。面積が小さく、非常に小ぢんまりとした島でありながら、日生諸島では最も多い400人超の人口を数え、民宿やペンションも多く立ち並びます。
瀬戸内海では人気のかきのほか、さわらの炒り焼きやシャコ鍋といった日生町ならではの郷土料理も胃袋を掴んで離しません。 遊びでは海水浴やみかん狩りが人気です。
島を遊ぶ
外輪海水浴場
夏の日生諸島で欠かせない場所のひとつがここ。静かな雰囲気のビーチも、夏の間は老若男女問わず多くの人でにぎわいます。トイレ・シャワー・更衣室完備。
グラウンドゴルフ場
雄大な自然を肌で感じるスポーツと言えばゴルフ。芝張りのコースと、グラウンドコースの両方があり、視界の開けた場所でゴルフを楽しめます。観光客よりもむしろ島内の人々に人気だったり・・・。料金が安いのも嬉しいですね。※ 定休日:水曜日、営業時間:8:00~16:00、料金:備前市民100円・市外者200円
景色を楽しむ
頭島花公園、たぬき山展望台
頭島の中心部に位置し、その名の通り、季節ごとに美しい花が咲く公園です。標高58mにいたる小さな坂を登った先からは、日生諸島の島々が一望できます。天気が良ければ東の方向に家島諸島(兵庫)まで見えることも・・・?
頭島大橋
2004年11月に開通した、鹿久居島と頭島を結ぶ橋。これにより行き来がしやすくなり、遊びの幅が広がりました!
頭島土曜朝市(漁協)
土日に島を訪れるならば、見逃せないのがこのイベント。6月の半ばから10月の上旬まで、土日限定で活気づく頭島の漁協!水揚げされたての鮮魚や干物が並び、鮮魚市が開催されます。人気の秘訣はその安さ。観光客も驚いてつい買ってしまうとか・・・。
大多府島
【名 称】
大多府島 (おおたぶじま)
【所在地】岡山県備前市 (地図)
【面 積】
0.40㎢
【周 囲】5.0km
日生港から6km南へ離れた場所に浮かぶのが大多府島です。日生町内の島々の中では南端で、更に南には小豆島が見えます。 船が立ち寄りやすい場所に位置することから、古くは参勤交代時の風待ち港として栄え、歴史と共に内海航路の要へと発展しました。そのため、六角井戸や灯籠堂、元禄防波堤など味わい深い史跡が多く、散策をしているだけでも飽きません。
夏場には潮干狩りや海水浴を楽しみに、県内外から観光客が訪れます。島の南方には奇岩に富んだ景勝地があるため、ハイキングも人気。
景色を楽しむ
島には島内を一周まわる自然散策路が整備されています。史跡めぐり、景勝地めぐりに。
南岸、勘三郎洞窟
島の南岸は波野浸食による奇岩が多々。中でも勘三郎洞窟は島の南端にある絶景のポイントです。この近辺一帯は発達した浸食地形が特徴的で、荒々しい岩肌に自然の力強さを感じます。中でも勘三郎洞窟と呼ばれる洞窟は周囲が断崖絶壁に囲まれており、狭いけれども天井は高く、その崖の高さは20mにも。絶壁に遮断されるためか、光があまり届かず、夏でもわりとひんやりした場所です。江戸時代、そんな洞窟に隠れて藩札を偽造していたのが勘三郎という名の男。この洞窟は彼にちなんで名づけられました。
夫婦岩
荒い波による浸食と積年の風化により、まるで夫婦のように寄り添って見える岩です。近くにはたくましい松の木も。
元禄防波堤
その名の通り、「風待ち港」として栄えた元禄時代につくられた防波堤です。岡山藩の作事奉公である津田永忠が指揮を執ってつくられたと言われており、防波堤としては初めて国の文化財に指定されました。ぱっと見ると普通の防波堤ですが、そこに潜む歴史を思うと、なんともしみじみした気分に・・・。
六角井戸
同じく元禄時代、「風待ち港」として整備するにあたり、徐々に人が島へと移り始めます。その際必要となり、築かれたのがこの六角井戸です。直径2m深さ6mと大規模なもので、水道が通うまでの長い間、島民に水を供給してきました。
灯籠堂
島の歴史と共に、元禄時代から明治初期まで、島の番人としてその使命を果たしました。現在あるものは、1986年に復元されたもの。
日生諸島の情報あれこれ
遊 び
散策、釣り、海水浴、古代体験(キャンプ、野営活動)、潮干狩り、みかん狩り、グラウンドゴルフ
食べる
魚介料理、塩干物、かき、シャコ、さつまいも、みかん
郷土料理
さわらのいり焼き、ガンゾ(ガンゾウカレイの干し物)、シャコ鍋
変わりモノ
カキオコ(日生産のかきを使用したお好み焼き)、古代体験
お土産に
魚介類(鮮魚、干物)、みかん
マスコット
―
う た
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島内のルール
売店・商店は頭島にのみ存在し、それ以外の島々にはないので注意。
日生諸島へのアクセス
船を利用する
頭島・大多府島行 ※1日3往復
日生港~(20分)~頭島~(10分)~大多府島
頭島・大多府島行(鴻島経由)※1日3往復
日生港~(15分)~鴻島~(10分)頭島~(10分)~大多府島
頭島・大多府島行(日生駅前、鴻島経由)※1日1往復
日生港~(10分)~日生駅前~(15分)~鴻島~(10分)頭島~(10分)~大多府島
頭島・大多府島行(鹿久居島経由)※1日2往復
日生港~(10分)~鹿久居島~(10分)~頭島~(10分)~大多府島大生汽船株式会社(運航時刻表、公式HP)
日生港へは日生駅南口より【徒歩10分】 日生駅前港へは日生駅南口より【徒歩2分】
島プロフ一覧(近畿地方)
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