【サッカー日本代表】日本VSベネズエラ・・・勝てた試合、ザッケローニの采配に疑問 《国際親善試合》

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サッカー日本代表は2014年ブラジルワールドカップの出場に向けて、アジア最終予選でし烈な戦いを繰り広げています。8月15日、札幌ドームで日本VSベネズエラの国際親善試合が行われました。最終予選の前哨戦として重要な意味を持つこの試合。素人サッカーファンである筆者の独断と偏見による対戦レポートをお届けします!

対イラク戦のシュミレーションとして位置づけられた試合

ベネズエラのFIFAランキングは52位。現在、ワールドカップ南米予選では5位という位置につけています。日本にとってこの試合は9月に行われるアジア最終予選のイラク戦に向けたシュミレーションとして重要な意味合いを持っています。日本のシステムは4-2-3-1。ポストプレーヤーの前田を1トップに置いて、トップ下に本田、左に香川、右に岡崎という3枚の攻撃的MFを配置し、ボランチに遠藤と長谷部、ディフェンスラインは左から長友、伊野波、吉田、駒野という布陣。センターバックの今野を欠く以外、ほぼベストメンバーで挑みます。対するベネズエラは個人による突破力の優れたチーム。2トップのフェドールとロンドンを前線に残し、ディフェンスに5人を置いて守備のブロックを築き、しっかり守ってカウンターをしかけるという守備的な戦術を採用してきました。

先制点の後、追加点が奪えず1-1の引き分け

ロシアリーグに所属する本田以外、海外組はリーグ開幕前ということもあって選手のコンディションはバラバラでした。ゲーム序盤、久々の国際Aマッチという影響もあるのか選手間のコンビネーションが合わず、ゴール前でパスが繋がりません。逆にベネズエラは日本のオフェンス陣を守備網に引っかけると、カウンターから逆襲。パワーとテクニックを兼ね備えたベネズエラの2トップは、単独のドリブル突破でDFを何人も引き連れながら強引にシュートを放ちます。危険なシーンを何度も作られますがGK川島のファインセーブでピンチをしのぐ日本。

そして前半15分、本田とのパス交換から右サイドを抜け出した駒野が中央にクロスを折り返すと、そこに絶妙のタイミングで遠藤が飛び込んで冷静にシュート。先制点を奪い取ります。このまま波に乗るかと思われた日本ですが追加点を奪えません。後半17分、右サイドを突破したマルティネスが中央へグラウンダーのクロス。FWフェドールがDF吉田を振り切って強引にシュート。一度は防がれますが、こぼれ球に鋭く反応したフェドールは体を反転させながら右足を伸ばしてゴールに捻じ込み、ベネズエラが同点に追いつきます。

追加点を奪いたい日本は攻撃的MFの藤本と中村憲剛を相次いで投入しますが流れを変えることができません。70分を過ぎた辺りから選手の足が止まってしまい、前線の動き出しが少ないためにパスの出し所を失ってしまいます。サイド攻撃から長友と駒野が時折鋭いクロスを送りますが、MF香川が決定的なシュートを外してしまうなど、最後まで追加点を奪えなかった日本。1-1の引き分けで試合を終えました。

なぜ宮市を入れなかったのか?ザッケローニの采配に疑問

先制点を奪った後に同点に追いつかれる展開は、最終予選を想定した場合、絶好のシュミレーションになったはずです。ここからいかにして追加点を奪いにいくのか?そのプロセスが見えないザッケローニ監督の選手交代に疑問を感じました。点を取りにいくなら中盤の選手を代えるのではなく、前線の選手に手を入れるべきではないでしょうか。同点の後、ベネズエラのディフェンスは引いてしまい明らかに引き分けを狙っていました。

守備を固めた相手に対してスペースをこじ開けるのは困難です。こういった相手から得点を奪うにはドリブルでサイドを切り崩すか、中央に高さのある選手を入れてパワープレーを狙うなど、ある程度強引なプレーが必要です。左サイドに破壊力のあるドリブルを持つスピードスターの宮市を入れ、中央に高さのあるハーフナー・マイクを起用していれば攻撃のバリエーションは増えたでしょうし、そこを糸口にして得点を奪うチャンスも格段に増えたでしょう。あのような消極的な采配で最終予選を勝ち抜けるとは到底思えませんでした。

今野の穴は誰が埋める?闘莉王の召集はあるのか

不動のセンターバックとしてレギュラーに据えてきた今野を外したこの試合。彼がいないことで少なからず守備に影響が出たのは確かでしょう。守備の人数が揃っていても、一発のパスや一つのドリブルでシュートまで持ち込まれてしまう場面が目立ちました。ディフェンスラインの統率を図る上で、今野不在時の守備の連係に不安が残りました。ザッケローニ監督は今野の代役として、伊野波、槇野、水本、岩政などタイプの違うセンターバックを起用してきましたが、あまりフィットしていません。

守備陣のリーダーとして統率力のあるDFを召集することも今後の課題だと思います。そういった意味ではリーダーシップもあり、国際経験も豊かな『田中マルクス闘莉王』の招集も考えるべきではないでしょうか。これまで一度も召集されていないことから、ザッケローニの好みではないのかもしれませんが、一度テストする必要があると思います。

右サイドからの攻撃が冴え渡る。駒野に注目したい

攻撃面で目立っていたのが、駒野と長友の両サイドバックの攻撃参加です。中盤でのボール回しが上手くいかない場合、攻撃ではサイドからの崩しが重要になってきます。1点目をアシストした駒野のドリブル突破にはキレがあり、相手の股間を抜いてクロスを上げるプレーは圧巻でした。また、前にスペースが無いときは積極的にアーリークロスを入れてチャンスを作るなど、日本代表のサイドバックの中ではクロスボールの精度はずば抜けています。現在、日本の右サイドバックは内田がレギュラーを務めていますが、駒野がこのパフォーマンスを続けていればレギュラーを奪回の可能性も十分にあり得ると思いました。

総括

親善マッチとは思えない緊張感が漂っていたこの試合。試合後、引き分けという不甲斐ない結果に終わったことに不満の色を見せた本田の姿がありました。選手のコンディション不良という問題もありましたが、選手交代を含めたザッケローニの采配に大きな疑問を感じました。9月11日のアジア最終予選・イラク戦までに、どこまでチームを修正してくるのか注目したいところです。

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