あなたの前世占います【青春の1ページ】

naoki1014

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 「前世が見える!」なんていう日本人は江原啓之さんくらいでしょうか?

でも、僕には人の前世が見えたんです。確かに見えていたはずなんです・・・

今をさかのぼること2年前、東京の吉祥寺という街に住んでいたころの話です。吉祥寺のアーケード街に、一人の女性占い師が店を構えていました。

あるとき、その店の前を通りかかったときに「一緒にやってみない」と友達に誘われて、

軽い気持ちで占ってもらいました。 

占い師さんによると、霊界を通じて観音様という仏様に相談してアドバイスを頂くということでした。話だけ聞くと、占い師というより霊媒師に近い感じです。

占い師「今から10分間、観音様とお話するので何でも質問してください」僕「あの、自分の前世を知りたいんですけど」

占い師さんは誰かの声に耳を傾けるように、静かになりました。

占い師「前世といっても、過去世はいくつもあります・・・一番近いものだとヨーロッパの哲学者ですね・・・

キルディボディスという哲学を専攻していたと言っています」

僕「えー!哲学者?」

自称偏差値の低い僕は、哲学者という自分の前世が信じられません。

占い師「あとは・・・日本の文学者や・・・自然科学を極めた学者のときもありましたね。周りから神と称えられていた時代もあるようです」

僕「か、神?」

鑑定の結果、現世の自分とはあまりにかけ離れていてビックリ仰天です。

自分の職業は18禁ゲームのシナリオライター。時給は750円です。そんな自分が哲学者、文学者・・・神のような存在だったとは・・・

自宅に帰ると、僕はしばらく物思いにふけりました。

僕「前世が見える人がいたなんて・・・もしかしたら・・・自分にもできるかも?」

完全なる思いつきです。

どうしてこんなことを考えたのか、それには理由がありました。

当時、ゲーム会社の勤務と並行して、ホストクラブでバイトしていた僕。

お客さんに接客するとき、何か特別なトークはできないものか?そこで思いついたのが前世占いだったのです。  

場所は変わってホストクラブ

お客「えー、前世が見えるの?見て見て~」

お客の女性は前世占いに興味津々の様子。僕は占い師さんの鑑定術を思い出しながら、見よう見まねで前世占いを決行しました。

僕「とりあえず、手相から見ますね」

お客の手をとり、手相をじっと見つめます。何か出てくるものはないか・・・

すると・・・不思議なことに相手の性格や悩みなどが頭に浮かびあがってきました。

僕「今、恋に悩んでます?最近ふられてばっかりいるでしょ?」お客「えー、なんでわかるの!?」

当たってる・・・マグレにせよ、インチキにせよ、当たっていればOKです!

調子にのってきた僕は、前世占いに挑戦します。

僕「えーと、あなたの前世は・・・」

じっとお客さんの目を見つめ、インスピレーションが浮かんでこないか探ります。すると・・・相手の背後にジワッーと映像のような物がにじみ出できました。

それは僧侶・・・日本の尼さんのような服装をした女性の姿が見えたんです。

僕「尼さんの格好をした、姿が見えます・・・」お客「やっぱり!前、違う人に見てもらったときもそうだったの!」

またもやビンゴ!これはいける・・・!

霊視の根拠はありませんが、当たってしまえばOKです。こんな感じで次々とお客さんの前世を鑑定していきました。

僕「あなたは・・・ヨーロッパの孤児院で、子供の面倒を見ています」

お客「私、保育士の勉強してるんですよ。凄い!当たってるかも」

女性のハートをガッチリ掴むことに成功!それからはトークに行き詰ったら前世占いをして、その場をしのぐ作戦に出ました。

ホストの先輩達も困ったときは、アイツの前世占いに任せよう!

みたいな空気になって、機嫌の悪いお客さんのヘルプをよく担当していました。

あれから2年・・・

今、誰かに前世を見てほしいと言われたらできるのか?わかりません・・・当時、本当に見えていたのかも謎です。

追い込まれた自分に、神様が手を貸してくれたんでしょうか。

それとも、単なる思い込みで幻覚が見えていたのかも・・・

 ~過去の青春へ飛ぶ~
potaru.com

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