可愛いあんよが入っていく、ここはどこ?
ここは石巻の中瀬。旧北上川に浮かぶ島。石ノ森萬画館のすぐ南。
「新台湾壁画隊」との額が掲げられた、壁じゅうがアートでできた屋根のない小屋。
晴れた空に映える、色鮮やかな台湾アート。
とにかく中に入ってみましょう。
立て看板の情報によると、
この建物は『白屋』と呼ばれるアートオブジェ。1.2m×2.4mのパネルに、台湾のアーティストと日本のアーティストがそれぞれ壁画を制作し、文字通り壁として組み立てるプロジェクトだ。
ひとつひとつが個としての作品であると同時に、まとまることでひとつの空間(家)を構成する、メッセージ性の高いアートだ。
日本のアーティストの作品もあるのか。。と作品をぐるりと見渡してみたら、
ね、やっぱり。
高い空と、あふれるようなクローバーのあいだの空間で、ブルーのカーテンが風になびいているよう。
リボンもしっかりレリーフしています。
フェミニンなものに対する問い直し――。カラフルな作品群の中で、しっかりちば作品らしさを発揮してました。
足元の石は、
誰でも参加できるワークショップでみんながつくったストーンアート。
これもなかなか素敵なのです。
中瀬に登場した白屋は、2013年の4月27日から5月5日まで、1週間をかけて石巻で公開制作されたアートオブジェです。台湾のアーティストたちと日本のアーティスト、そして石巻の市民がふれ合い、心を通じ合わせる中でつくられました。
ところで――、
石巻の街なかには、ところどころにこんな壁画が描かれています。
これは新台湾壁画隊のみなさんが、2012年8月に来石して制作していったもの。新台湾壁画隊は、台湾各地で白屋による移動創作活動を行ってきたアーティスト集団です。
台湾は1999年9月21日、たいへん大きな地震に見舞われました。被災後の厳しい時間を経験する中で、支援に駆け付け活動してきた神戸の被災地市民交流会が、今回の震災後、台湾のアーティストたちと、石巻を結びつけたのだそうです。
去年の壁画にも書かれているでしょ、「2013年春の約束」って。
中瀬の白屋7月末まで展示予定とのこと。
その後は、岩手県の大槌町、神戸を経由して台湾へ。
そういえば、大槌町にあるカリタスジャパンの基地にも、日台共同制作の大きな壁画が描かれていました。
共同制作の壁画を通じて、手渡しされていく「つながる強さと美しさ」。
あと何回、この白屋に会いにいけるかな?
この夏は、白屋を見に石巻へぜひ。ちょっとだけお急ぎくださいね。
中瀬の白屋
色とりどりのアートに、個人とみんなの力が込められています
●TEXT+PHOTO:井上良太(株式会社ジェーピーツーワン)
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