この書籍との出会いは、私が通っている整骨院のトレーナーさんがキッカケです。歩くとき、重心が後ろにあることを指摘され、この書籍の帯にあるポーズでウォーキングすることを進められました。
骨ストレッチの基本ポーズ
骨ストレッチの基本ポーズ
1.片方の手の親指と小指をつないで輪をつくる
2.反対側の親指と小指で手首のグリグリした部分(尺骨と橈骨の先端)を押さえる
本書口絵 P2
トレーナーさんによると親指はブレーキ、小指はアクセルの役割をしているため、親指と小指をつなぐことでニュートラルになり、体に余計な力が入らなくなるそうです。またこのポーズをとることで、骨と骨とがつながりうまく連動するようになるとのことでした。
確かにこのポーズで歩いていると、足が疲れず体が軽くなったような気がしました。
そんな中、この書籍は偶然見つけました。帯のポーズを見て、こんなにメジャーなポーズだったんだ!と驚きました。本書によると、親指と小指をつなぐだけで、関節の可動域が驚くほどに広がります、と書かれています。骨ストレッチのエクササイズにはいくつかの種類が紹介されていますが、すべての基本は「骨ストレッチの基本ポーズ」です。
身体感覚と身体能力
身体感覚・・・スムーズな動きを実現するコツ、カン(数字に表せない)
身体能力・・・運動に必要な筋力、ジャンプ力など(数字に表せる)
本書本文 P20
多くのアスリートがハードなウェイトトレーニングを取り入れて、筋力アップすることで身体能力が高められる一方、体の変化で本来の自分の身体感覚が失われてスランプに陥っているようです。
ハードなトレーニングを積めば積むほど、身体能力の数値は上昇しているのに結果が出ないことで、本来のスポーツの楽しさを見失ってしまってしまうようです。また焦りがプレッシャーと過緊張を生み、ケガにつながるようです。
身体能力も大事なものですが、動きの質を高めるための土台は身体感覚の方です。身体感覚が磨かれているからこそ、身体能力も発揮できるのです。
本書では44歳で現役のメジャーリーガーのイチロー選手のウェイトトレーニングに対するコメントを紹介しています。
「いやいや全然ダメでしょ。自分の持って生まれたバランスを崩したらダメですよ。」
「トラとかライオンはウェイトトレーニングをしない。筋肉が大きくなっても、支えている関節とか腱は鍛えられない。だから、重さに耐えられなくて壊れちゃう。当たり前のことなんです。」
イチローが身体能力より身体感覚を重視してきたことが分かり、また彼が怪我をしない理由もここにあるように思いました。
筆者は、数字以上に大切なものは、やっていて楽しい、心地いい、という感覚だと言っています。
骨を自在に操るためには体をゆるませる必要があるそうです。また頑張らない方が本来の力が出せるようです。骨ストレッチは頑張らないことを前提にした、誰でもどこでも簡単に出来るエクササイズです。これなら自分でも続けられそうです。
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