【書籍】 シンプルに考える_森川亮

cha_chan

公開:

1 なるほど
894 VIEW
0 コメント
 シンプルに考える 森川亮 (著)
www.amazon.co.jp  

この本は無料通話アプリとして国内で圧倒的なシェアを誇る「LINE」の生みの親、森川亮氏の初著作です。

変化の激しい現代、特にインターネット業界においては、ヒット商品を生み出すためには「クオリティ」と「スピード」が命です。クオリティとスピードのどちらかが欠けても、無数にある商品の中に埋もれてしまいます。またクオリティの高い商品を開発できても、当然他を追随しないスピードで商品を磨かなければ簡単にコピーされてしまいます。

LINE株式会社の戦略はたった1つ「どこよりも速く最高のクオリティのプロダクトを出す」のみ。シンプルで分かりやすい戦略です。

森川氏は、会社にとって一番大切なことは、「ヒット商品を作り続けること」ことに尽きると断言しています。そしてヒット商品を作り続けるためには、「ユーザーが本当に求めるものを提供し続ける」以外にないと言っています。

そのために、本当に大切なこと以外は全部捨て、本当に大切なものだけに集中する。ユーザーが本当に求めているものを作るという1点に100%集中するため、その妨げとなることを徹底的に排除したそうです。

その結果、経営の常識に反する方針が次々と確立していったそうです。

「戦わない」
「ビジョンはいらない」
「計画はいらない」
「情報共有はしない」
「偉い人はいらない」
「モチベーションは上げない」
「成功は捨て続ける」
「差別化は狙わない」
「イノベーションは目指さない」
「経営は管理ではない」 等

上記はすべて、変化の激しいインターネット業界においてユーザーが本当に求めるものを作ることに集中することの妨げになるものということです。

たとえば「戦わない」-「ライバルからシェアを奪い取れ」など戦いにばかり気を取られているうちに、ユーザーのことよりもライバルに勝つことが目標になってしまいユーザーから目が離れてしまいます。それよりシンプルにユーザーのことだけを考え、ユーザーが本当に求めているものを生み出すことの1点に集中する。その結果、勝利がついてくるということです。

LINEがヒットした当初、トップページに広告を掲載すれば儲かるのは分かっていたそうです。しかしユーザーが本当に求めているものを作るという考えを貫きユーザーが求めていない広告は出さず、LINEでは儲けなくていいというメッセージも明確に示したそうです。

また最近のユーザーは高機能な商品より、分かりやすく使いやすいシンプルな商品を求めているようです。LINEはユーザーの求めている最も重要な価値のみにフォーカスし、余計な機能はそぎ落とし、テキスト・メッセージ機能のみをシンプルに磨き上げた結果として差別化を生み出すことが出来たのだそうです。

森川氏の考え方は、本当にシンプルです。そして、シンプルだからこそ判断に誤りがなく、ブレもない。だからこそオンラインゲーム市場でナンバーワンとなり、ユーザーの圧倒的な支持を集めるLINEも生み出せたのではないかと思います。

この書籍を読んで、物事の本質のみをシンプルに考えることの大切さが分かりました。また経営の常識と思っていたことが今の世の中では通用しないばかりか、ヒット商品を作り続けることの妨げになる可能性もあるということも分かり、大変勉強になりました。

最終更新:

コメント(0

あなたもコメントしてみませんか?

すでにアカウントをお持ちの方はログイン