【観戦記】村木の夏、将平の夏、静高の夏終わる! 浜松商×静岡 ~第98回全国高等学校野球選手権静岡大会

doraemon

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7月23日、静岡県の高校野球の聖地『草薙球場』に行きました。
昨年夏は幾度となく足を運んだ草薙ですが、今年の夏はこの日が『初草薙』です。

今日の対戦は...
第1試合は浜名×常葉橘、第2試合は浜松商×静高です。
どちらの試合も注目の好カードです。

草薙球場に着いたのは7時半。チケット販売まで1時間半、まだまだです。

昨年、『世紀の一戦』と言われた静高対日大三島戦のときは7時ちょっと前から並びました。そのときはできるだけいい席でという思いもありました。

この日は球場のどこで観戦したいとかはとくにありませんでしたが、せっかく早く並んだのでバックネット裏で見ることにしました。バックネット裏の前から4番目に座り試合開始を待ちました。

浜名 対 常葉橘

【試合前】常葉橘のキャプテン大嶋翼くん
【試合前】常葉橘のキャプテン大嶋翼くん

第1試合のカードは浜名と第1シードの常葉橘です。常葉橘の谷脇くんのピッチングを楽しみにしていたのですが、翌日準々決勝があるためか、この日の登板はありませんでした。

1回表、浜名の攻撃を3人で抑えた常葉橘。1回裏の攻撃は打者10人で7安打6得点。東海大会を制した打線はホンモノ、とくに下位打線の3連打は圧巻でした。7番長倉くんのセンターオーバーの2塁打、9番内村くんの右中間への3塁打は他のチームのクリーンアップを見ているようでした。9番の内村くんは3打席目はレフトスタンドにホームランを打ちました。

試合は常葉橘の7回コールド勝ち。第1シードの圧倒的な強さを目の当たりにして、このチームを倒せるチームなんてないんじゃないかとさえ感じました。

浜名  011 000 0 | 2
常葉橘 600 210 X | 9
※7回コールド

浜松商 対 静高

2試合目は浜松商対静高です。この試合は浜松商には申し訳ないのですが、静高がどれだけ強い勝ち方をするのか注目していました。

村木の好投

先発メンバーの発表が始まり、『ピッチャー村木』がアナウンスされたときは大歓声でした。誰もが待っていたエース村木くんの先発です。

試合が始まり注目の初球はストレート。球速は139キロ。2番バッターの3球目に141キロをマーク、そして3番バッターの2球目に投げた外角のストレートは143キロでした。村木くんの最速は昨年夏、日大三島戦で記録した146キロ。それを考えるとスピード的には上々の立ち上がりと言っていいでしょう。先発は昨年の秋の大会以来です。一部報道では村木くんは休む前よりも調子がいいと言われていました。

立ち上がりこそブランクを感じさせない投球に思えましたが、わたしの目にはストレート、変化球ともに一番いい時の村木くんからは少し遠いかなという気がしました。本当によくなるのはこの先だと思います。それでも村木くんは味方のエラーによる失点にも表情1つ変えることなく我慢強く投げていました。浜松商相手に自責点はわずかに『1』。そして奪った三振は毎回の『16』でした。

鈴木将平の存在

静高のキャプテン鈴木将平くんはプロ注目の選手。1年生の夏からレギュラーの将平くんは表現するなら『野球センスの塊』でしょうか。文句のつけようがない選手です。打撃はもちろんのこと、守備、肩そしてなによりも足です。

この試合もとんでもないものを見せてくれました。1点リードされた3回裏の静高の攻撃。簡単に2アウトを取られてから2番の藤田くんがライト前ヒットで将平くんに繋げました。2アウト1塁で将平くんの打った打球は右中間の1番深いところのフェンスの最上段に当たる大打球。中継のもたつきも少しありましたが、それを見るや将平くんは一気にホームまで駆け抜ける逆転ランニング2ランホームラン!

3塁コーチャーは止めていたように見えましたけどね。。

2ヶ月くらい前に東京ドームでプロ野球を観戦したときに、ジャイアンツの鈴木尚広選手の足の速さと無駄のないベースランニングに驚きましたが、将平くんの足の速さとベースランニングのうまさもそれに近いレベルです。この先、最高の舞台で将平くんの姿が見られる日が楽しみでしかたがありません。

伝統と自分たちの個性を活かした浜商野球

伝統校は毎年それなりのチームを作ってきます。ノーシードながら夏に照準を合わせてここまで勝ち上がってきたのは、さすが伝統校です。

そして今年の浜松商からは泥くさい野球を見ることができました。浜松商の選手は内野ゴロは全員一塁にヘッドスライディング。『1塁は駆け抜けた方が早い』と言われていますが、なんとしても塁に出るんだという気迫を感じました。

そして3-3で迎えた6回表。相手のミスから1点をもぎ取り4-3とした浜松商は6回裏、好投していた大橋くんを代えました。この交代は正直驚きました。マウンドに上がったのは小柄な2年生ピッチャー増田くん。投球練習をみても、投げるボールは130キロに満たないボール。強力静高打線を相手にするのは少し荷が重いのではと思っていました。しかしわたしの不安をよそに増田くんは驚きのピッチングを披露しました。6番の山本くん、7番の森くん、8番の村木くんを3者三振に打ち取ったのです。鋭い縦のカーブに静高打線はまったくバットにボールが当たりませんでした。増田くんはこのマウンドが公式戦初登板。とても初登板と思えない堂々としたピッチングでした。

これは浜松商の『秘密兵器』でしょうね。
ここで登板させるのは浜松商にとってある意味、賭けだったと思います。

『ミスしたら絶対勝てない』のが高校野球

この試合は4-3で浜松商が静高に勝ちました。

浜松商 010 201 000 | 4
静岡  002 010 000 | 3

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