3月8日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
燃料を保管する乾式キャスクの1基で蓋の圧力異常警報。蓋間圧力を監視している2系統のうち1系統の圧力伝送系のトラブルで、キャスクそのものの異常ではないと判断
※3月7日午前5時14分頃、乾式キャスク仮保管設備に保管しているキャスクの内、一基のキャスクにおいて蓋間圧力異常警報が発生。
なお、圧力の監視は、2系統で行っており、1系統については正常値を示している。
午前6時現在において、敷地境界におけるモニタリングポストの値に有意な変動はなく、プラントへの影響も確認されていない。
その後、当該キャスクの外観確認を行った結果、特に異常は認められていない。
また、当該キャスク近傍に設置しているエリア放射線モニタの指示値についても、警報が発生した前後において有意な変動はない。(既出)
現場で簡易圧力計を用いて当該キャスクの蓋間圧力を確認した結果、測定値に問題はなく、蓋間圧力の低下は確認されなかった。
計装品の点検を実施した結果、蓋間圧力を監視している2系統のうち1系統の圧力伝送系(圧力増幅器)に異常があることを確認。このため、実際に当該キャスク蓋間の圧力が低下したものではなく、圧力増幅器の異常により、当該警報が発生したものと判断した。
今後、正常値を示しているもう片方の1系統にて蓋間圧力の監視を継続するとともに、異常が確認された圧力増幅器の交換を実施する。
※ ひとまずは「よかった」と考えて良いか。
構内排水路の分析結果(2月18日~3月2日)
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中。
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクFからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクFの分析結果[採取日3月2日]について、運用目標値を満足していることを確認。
※ 一時貯水タンクは浄化後のサブドレン・地下水ドレン水を海洋排出前に一時貯水するもので「サンプルタンク」とも呼ばれる。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(2月28日採取分)
※ 集水タンクはサブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化施設に送る前に貯えておくタンクのこと。
地下水バイパス 通算106回目の海洋排水を開始
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の分析結果[採取日2月24日]については、運用目標値を満足していることを確認。(既出)
3月8日午前10時18分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時41分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス 揚水井No.10の分析結果(3月3日採取分)で、トリチウムが過去最高値に迫る
東京電力による分析でトリチウム(H3)濃度は3,000Bq/L
第三者機関(日本分析センター)の分析では3,200Bq/L
これまでの最高値は3,300Bq/L(2016.02.04)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
3月7日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
◎日報に新規事項の記載なし
◆H6エリア
◎日報に新規事項の記載なし
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
地下貯水槽 3月7日採取したサンプルの分析で全ベータ100ベクレル超えが8カ所。A4観測孔では前日の10倍以上の870ベクレル
3月7日に採取分析した地下貯水槽観測孔の水(A1からA19)における全ベータ放射能を分析した結果、前回値(3月6日採取)と比較して上昇している箇所(最大でA4観測孔の870 Bq/L)があることを確認。3月7日に採取した地下貯水槽観測孔の東側(海側)に位置する海側観測孔(1)および(5)の全ベータ放射能の分析結果については前回値(3月3日採取)と同様に検出限界値(24Bq/L)未満であり、有意な変動は確認されていない。また、3月4日に採取した地下貯水槽No.1ドレン孔のトリチウム濃度についても、前回値(3月3日採取)と比較して有意な変動は確認されていない。引き続き、地下貯水槽観測孔について監視を強化。
【注目点】A4観測孔では「78→870Bq/L」の大幅上昇。3月に入ってから全ベータ濃度が急激に上昇している原因は何なのか。地下で何が起きているのか。原発構内で標高の高い場所での地下の異変だけに、注視してくことが求められている。
1~3号機放水路
◎日報に新規事項の記載なし
K排水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
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