3月7日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
燃料を保管する乾式キャスクの1基で蓋の圧力異常警報。外観やモニタリングポストに以上は認められない
※3月7日午前5時14分頃、乾式キャスク仮保管設備に保管しているキャスクの内、一基のキャスクにおいて蓋間圧力異常警報が発生。
なお、圧力の監視は、2系統で行っており、1系統については正常値を示している。
午前6時現在において、敷地境界におけるモニタリングポストの値に有意な変動はなく、プラントへの影響も確認されていない。
その後、当該キャスクの外観確認を行った結果、特に異常は認められていない。
また、当該キャスク近傍に設置しているエリア放射線モニタの指示値についても、
警報が発生した前後において有意な変動はない。
今後、当該キャスクの蓋間圧力を監視している計装品の点検を実施する。
【注目】2系統で行っているキャスク圧力監視うちの1系統での警報ということだが、警報が発生した監視系が誤報との確証はない。逆に警報が発生しなかった系統の方が故障している可能性もあるだろう。どんなに精密につくられた製品でも不具合は必ず生じうる。放射能漏洩という最悪の事態を引き起こさないよう、十全な点検を期待したい。
1号機 原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送
・集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送
【解説】これまで1号機建屋地下の高濃度滞留水は、1号機の施設内にある廃棄物処理建屋に移送されていたが、2~4号機と同様に集中廃棄物処理施設への移送が始まった。移送ラインの完成を示す発表と見てもいいかもしれない。
その他の項目に新規事項の記載なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
2~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクEから海洋排水を実施。排出量は796トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクEの分析結果[採取日2月29日]については、運用目標値を満足していることを確認。3月6日午前10時2分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時12分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後3時30分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は796 m3。
地下水バイパス 海洋排出の準備進む(通算106回目)
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の分析結果[採取日2月24日]については、運用目標値を満足していることを確認。
地下水バイパス 一時貯留タンク詳細分析結果(2月3日サンプル採取)
地下水バイパス 加重平均サンプル分析結果(2016年1月分)
(注)加重平均サンプルとは、排水前に採取した試料を、各回の排水量に比例した割合で混合した試料を意味する。
※ 1月の排水量の合計は7,220トン。海上自衛隊のイージス艦「こんごう」型1隻分に匹敵する地下水が海に排出されたことになる。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
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