2016年3月7日 今日の東電プレスリリース

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3月7日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年3月7日
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【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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※ 情報を追加して更新します

燃料を保管する乾式キャスクの1基で蓋の圧力異常警報。外観やモニタリングポストに以上は認められない

※3月7日午前5時14分頃、乾式キャスク仮保管設備に保管しているキャスクの内、一基のキャスクにおいて蓋間圧力異常警報が発生。

なお、圧力の監視は、2系統で行っており、1系統については正常値を示している。

午前6時現在において、敷地境界におけるモニタリングポストの値に有意な変動はなく、プラントへの影響も確認されていない。

その後、当該キャスクの外観確認を行った結果、特に異常は認められていない。

また、当該キャスク近傍に設置しているエリア放射線モニタの指示値についても、
警報が発生した前後において有意な変動はない。

今後、当該キャスクの蓋間圧力を監視している計装品の点検を実施する。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年3月7日

【注目】2系統で行っているキャスク圧力監視うちの1系統での警報ということだが、警報が発生した監視系が誤報との確証はない。逆に警報が発生しなかった系統の方が故障している可能性もあるだろう。どんなに精密につくられた製品でも不具合は必ず生じうる。放射能漏洩という最悪の事態を引き起こさないよう、十全な点検を期待したい。

(参考写真)4号機プールから取り出された燃料を詰めたキャスクのトレーラーへの積み込み作業「福島第一原子力発電所4号機燃料取り出し作業(キャスク移動)平成25年11月21日」より。※ 乾式キャスクにはさまざまなタイプがあり、今回蓋間圧力異常警報が発生したキャスクに該当するかどうかは不明
(参考写真)4号機プールから取り出された燃料を詰めたキャスクのトレーラーへの積み込み作業「福島第一原子力発電所4号機燃料取り出し作業(キャスク移動)平成25年11月21日」より。※ 乾式キャスクにはさまざまなタイプがあり、今回蓋間圧力異常警報が発生したキャスクに該当するかどうかは不明

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1号機 原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送

・集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年3月7日

【解説】これまで1号機建屋地下の高濃度滞留水は、1号機の施設内にある廃棄物処理建屋に移送されていたが、2~4号機と同様に集中廃棄物処理施設への移送が始まった。移送ラインの完成を示す発表と見てもいいかもしれない。

Google Mapより。建屋カバーの屋根部分が取り外された1号機。上はタービン建屋、右は2号機
Google Mapより。建屋カバーの屋根部分が取り外された1号機。上はタービン建屋、右は2号機

その他の項目に新規事項の記載なし

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

2~6号機

◎日報に新規事項の記載なし

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

◎日報に新規事項の記載なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクEから海洋排水を実施。排出量は796トン

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクEの分析結果[採取日2月29日]については、運用目標値を満足していることを確認。3月6日午前10時2分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時12分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)

その後、午後3時30分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は796 m3。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年3月7日

地下水バイパス 海洋排出の準備進む(通算106回目)

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の分析結果[採取日2月24日]については、運用目標値を満足していることを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年3月7日

 福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク分析結果(2月24日サンプル採取)|東京電力 平成28年3月7日
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地下水バイパス 一時貯留タンク詳細分析結果(2月3日サンプル採取)

地下水バイパス一時貯留タンク(Google Mapに加筆)
地下水バイパス一時貯留タンク(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク詳細分析結果|東京電力 平成28年3月7日
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地下水バイパス 加重平均サンプル分析結果(2016年1月分)

 福島第一原子力発電所 地下水バイパス 加重平均サンプル分析結果(2016年1月分)|東京電力 平成28年3月7日
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(注)加重平均サンプルとは、排水前に採取した試料を、各回の排水量に比例した割合で混合した試料を意味する。

福島第一原子力発電所 地下水バイパス 加重平均サンプル分析結果(2016年1月分)|東京電力 平成28年3月7日

※ 1月の排水量の合計は7,220トン。海上自衛隊のイージス艦「こんごう」型1隻分に匹敵する地下水が海に排出されたことになる。

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

3月6日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年3月7日

◆H4エリア

◎日報に新規事項の記載なし

 福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H4エリア周辺)|東京電力 平成28年3月7日
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◆H6エリア

◎日報に新規事項の記載なし

 福島第一原子力発電所構内H6エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H6エリア周辺)|東京電力 平成28年3月7日
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1~4号機タービン建屋東側

手前の矩形の建物がタービン建屋で、海抜約10m。さらに海側がタービン建屋東側で標高が約4mであることから「約4m盤」とも呼ばれる。海側遮水壁で閉合された上、広い範囲でコンクリート舗装が施されている。事故前には海水の取水口などが設置されていた海に最も近いエリアである。
手前の矩形の建物がタービン建屋で、海抜約10m。さらに海側がタービン建屋東側で標高が約4mであることから「約4m盤」とも呼ばれる。海側遮水壁で閉合された上、広い範囲でコンクリート舗装が施されている。事故前には海水の取水口などが設置されていた海に最も近いエリアである。

◎日報に新規事項の記載なし

 福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果|東京電力 平成28年3月7日
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地下貯水槽 3月6日採取分では前回値(3月5日採取)と比較して有意な変動は確認されず。とはいえ19カ所中18カ所で実数の分析値になっていることは看過できない

地下貯水槽「i」。右は増設されたタンク群H-1エリア。Google Mapより
地下貯水槽「i」。右は増設されたタンク群H-1エリア。Google Mapより

3月6日に採取分析した地下貯水槽観測孔の水(A1からA19)における全ベータ放射能を分析した結果、前回値(3月5日採取)と比較して有意な変動は確認されていない。引き続き、地下貯水槽観測孔について監視を強化。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年3月7日

 地下貯水槽観測孔 分析結果(2016年3月6日分)
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【重要】前回値との比較では大きな変動はないものの、2月までND(検出限界未満)が続いていた状況と比べれば、19カ所中18カ所で実数の分析値になっていることを看過すべきではない。

 地下貯水槽 トリチウム分析結果(2016年3月4日分)
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1~3号機放水路

◎日報に新規事項の記載なし

K排水路

◎日報に新規事項の記載なし

 福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果|東京電力 平成28年3月7日
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関連データ(東京電力以外のサイト)

 過去の気象データ検索[浪江]2016年3月(日ごとの値)主な要素 | 気象庁
www.data.jma.go.jp  

【福島第一原発から約10kmに位置する気象庁のアメダス「浪江」の気象データ】

3月7日の降水量合計は11.0mm 1時間最大雨量は5.5mm 10分間最大雨量は2.0mm
 気温は最高 18.2℃、最低 9.7℃ 日照時間 0.0
 最大風速 4.4 南南東 最大瞬間風速 10.0 南 最多風向:北北東
3月6日の降水量合計は0.0mm 気温は最高 15.1℃、最低 5.3℃ 日照時間 0.0
 最大風速 3.7 南 最大瞬間風速 5.5 南 最多風向:北北西
3月5日の降水量合計は0.0mm 気温は最高 8.9℃、最低 -2.6℃ 日照時間 3.6
 最大風速 3.0 東 最大瞬間風速 4.9 東北東 最多風向:西

●最大風速とは10分間の風速の平均値である平均風速のうち、その日最大のもの。瞬間最大風速は、文字通り瞬間ごとの風速の最大値。
●●10分間の平均風速が10メートルを超える場合には、クレーン作業など屋内作業を停止しなければならない場合がある。

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