2015年12月8日 今日の東電プレスリリース

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12月8日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年12月8日
www.tepco.co.jp  
【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
potaru.com

※ 情報を追加して更新します

3号機使用済み燃料プール水の分析結果(12月7日採取)

※3号機使用済燃料プールにおける燃料交換機の操作卓等の落下について、12月7日採取した使用済燃料プール水の放射能分析結果は以下の通り。

・セシウム-134 2.1×10^5Bq/L
・セシウム-137 9.3×10^5Bq/L
・コバルト-60 検出限界値未満(検出限界値1.0×10^3Bq/L)

前回と比較して有意な変動はなく、燃料破損の兆候は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年12月8日

【整数で表示】
・セシウム-134 210,000Bq/L
・セシウム-137 930,000Bq/L
・コバルト-60 検出限界値未満(検出限界値1,000Bq/L)

【注目点】セシウム-137の濃度は100万ベクレル近い。使用済み燃料プールのサイズを10m×10m×12mと想定(格納容器の内径は9.6メートル、燃料集合体は高さ約4メートル、水中でのハンドリングを考えると余分を見て3倍の深さが必要だと想定)すると、満水状態で1200トンほどの容量になる。冷却のため循環している水と、核燃料の容積を差し引きゼロと想定して概算(かなりアバウトだが)すると、3号器の使用済み燃料プールの冷却水だけで、1兆2000億ベクレルのセシウム-137が存在する計算になる。この汚染水の処理も将来的に課題になるだろう。

1~6号機

◎日報に新規事項の記載なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

◎日報に新規事項の記載なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクAから海洋排水を開始

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクAの当社および第三者機関による分析結果[採取日11月28日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。(既出)

12月8日午前10時12分より海洋への排水を開始。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年12月8日

地下水バイパス 海洋排出の準備進む(通算93回目)

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の当社および第三者機関による分析結果[採取日11月26日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年12月8日

 福島第一原子力発電所 地下水バイパス 加重平均サンプル分析結果(2015年10月分)|東京電力 平成27年12月8日
www.tepco.co.jp  

地下水バイパス 10月分の加重平均サンプル分析結果。10月の排出は合計8,055トン

加重平均サンプルとは、排水前に採取した試料を、各回の排水量に比例した割合で混合した試料を意味する。

福島第一原子力発電所 地下水バイパス 加重平均サンプル分析結果(2015年10月分)|東京電力 平成27年12月8日

 福島第一原子力発電所 地下水バイパス 加重平均サンプル分析結果(2015年10月分)|東京電力 平成27年12月8日
www.tepco.co.jp  

※ 2015年10月の累計排出量は4回合計で8,055トンだった。

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

12月7日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年12月8日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年12月8日

 福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H4エリア周辺)|東京電力 平成27年12月8日
www.tepco.co.jp  

H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/29 11/30 12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6
E-1 3,100 4,200 2,800 2,100 2,000 1,800 1,700 2,400
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年12月8日

 福島第一原子力発電所構内H6エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H6エリア周辺)|東京電力 平成27年12月8日
www.tepco.co.jp  

H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/29 11/30 12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6
G-1 1,800 2,800 3,500 2,400 1,700 1,700 1,100 1,300
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0

H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/29 11/30 12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6
G-2 4,900 850 700 640 640 680 590 530
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0

1~4号機タービン建屋東側 地下水観測孔No.3-2は濁度高のためガンマ測定を行わず

◎日報に新規事項の記載なし

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