発見・今日の一枚「花のこころと秋の空」

izunoshippo200000

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うす紫色の透き通るような大きな花が、秋空に届けとばかりに伸び上がって咲いていたのです。花の美しさにつられて空を見上げたのか、空を見上げていてこの花の存在に気づいたのか、まあどっちでも一緒かな。(ふだん、空を見上げることなんてあまりないからなあ)

今朝の空は高かった。空の西半分は真っ黒な雲が分厚い絨毯のように覆っていたのですが、東半分は「これぞ!」とばかりの秋空。そんな空の中で、うす紫の花がゆったりと揺れていたのです。

きれいだった。

見上げると、秋の空にはまるで羽毛のような雲がしずかに浮かんでいて。

写真では分からないけど、早朝に羽田を出発した旅客機の輝く翼の列が、東から西へと連なっていました。そんな様子を目にすると、いよいよ秋も深まったなと感じます。

昨夜までの大雨で水浸しになった田んぼの水たまりにも秋の空。

こんな景色を歌に詠める才能があればなあと思ってしまいます。

秋の空へのご案内をしてくれたうす紫の花は、調べてみるとダリアの仲間。

ちょっと意外かもしれませんね。この花はダリアの中でもとくに背が高くなるコダチダリアという種類なのだそうです。コダチは「木立」、木のように高く伸びるダリアという意味のようです。

晩い秋、初霜がおりる前にいそいそと、あっという間に背を伸ばし、綺麗な花を咲かせるのがコダチダリアの特徴です。つまり、この花が咲いたら、もうすぐ冬だよということ。季節の移り変わりを教えてくれる花なのです。(背丈は3〜4メートル以上にもなります)

花言葉は、「乙女の純潔」「乙女の真心」「優雅」「華麗」。ああ何となく分かる感じです。乙女という言葉に春をイメージしてしまうわたくしですが、伸びやかな春の乙女はかならず冬を知る者でもあるのでしょう。

まるで花の冠のようにたくさんの花を咲かせる姿によるものか、別名「皇帝ダリア」とも呼ばれているそうです。たぶん、関東以西では今がこの花の一番うつくしい季節。この花を見かけたら、花と一緒に秋の空を見上げてみてはいかが?

初霜の季節はもうすぐです。

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  • I

    izunoshippo200000

    あまりに美しかったので、この花が秋の空に染まったのか、あるいはこの花の色に秋の空が染まったのかってくらいに思えたんですよ。「乙女心と秋の空」なんて言葉、花を見た時には思いつかなかったなあ。