7月24日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1~2号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
加えて、
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月22日午前6時22分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送を実施中
3号機 ~タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開(移送先は高温焼却炉建屋)
1号機の冒頭3項目に加え、
使用済燃料プール循環冷却系停止中
(6月30日には、6月29日午後1時46分SFP代替冷却系を起動と報告されている。また本日7月21日には、ポンプ交換のために一時停止した後再起動とある)
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月24日午前6時25分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送を実施中
4~6号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス ~通算74回目の海洋排水を開始
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日7月9日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。(既出)
7月24日午前10時5分より海洋への排水を開始。同日午前10時10分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス揚水井No.10のトリチウム濃度が分析結果が1,900 Bq/L
※地下水バイパス揚水井No.10については、6月29日に採水した水の分析結果において、トリチウム濃度が運用目標値の1,500 Bq/L であることを確認したことから、当該揚水井の汲み上げを6月30日に停止。今後、地下水バイパス一時貯留タンク内の評価を行う。(既出)
※7月17日に採水した水の分析結果において、トリチウム濃度が1,900 Bq/L であることを確認しているが、第三者機関による分析においても1,900 Bq/L であり、同等であることを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
7月23日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、堰床部に溜まっている雨水の影響により、一部実施出来ない箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。また堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。
なお、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H4エリア周辺地下水 E-1/E-9の全ベータ濃度>
採取日 7/14 7/15 7/16 7/17 7/18 7/19 7/20 7/21 7/22
E-1 2,100 2,200 悪 36,000 31,000 27,000 23,000 23,000 14,000
E-9 ー 5,100 ー 6,500 ー ー 14,000 ー 8,600
※ 単位はBq/L。(ーはデータの発表なし)(悪は悪天候のためり採取中止)
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H6エリア周辺地下水 G-2のトリチウム濃度>
採取日 7/14 7/15 7/16 7/17 7/18 7/19 7/20 7/21 7/22
G-2 300 220 悪 890 600 480 920 410 600
※ 単位はBq/L。(ーはデータの発表なし)(悪は悪天候のためり採取中止)
1~4号機タービン建屋東側 地下水観測孔No.2-6、No.1で過去最高値
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<過去最高値>地下水観測孔No.2-6
トリチウム:1,800Bq/L(2015年7月21日)
これまでの最高値:1,500Bq/L(2015年7月14日)
<過去最高値>地下水観測孔No.1
全ベータ:2,300Bq/L(2015年7月23日)
これまでの最高値:2,000Bq/L(2015年7月21日)
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~3号機放水路 濃度の上昇は降雨の影響と推定
<最新のサンプリング実績>
7月22日採取分の1号機放水路立坑水分析結果について、上流側は全ベータ放射能及びセシウム濃度が前回値と比較して上昇しているが、過去の変動範囲内であり、降雨の影響と推定。
なお、1号機放水路下流側及び、2号機放水路立坑水の分析結果については、前回値と比較して有意な変動は確認されていない。
K排水路の状況
<最新のサンプリング実績>
7月22日採取分の分析結果については、セシウム134、セシウム137、全ベータ値が前日の分析結果よりも低下していることを確認。引き続き、監視を継続していく。
関連データ(東京電力以外のサイト)
最終更新: