7月1日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1号機
新規事項なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
2号機 ~タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開(移送先は高温焼却炉建屋)
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月1日午前11時27分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
3号機 ~タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開(移送先は高温焼却炉建屋)
1号機の冒頭3項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
(6月30日には、6月29日午後1時46分SFP代替冷却系を起動と報告されている)
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月1日午前11時44分~)
※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
4号機~6号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
※ 6月26日付の日報によると、冷却浄化系を停止し、残留熱除去系(RHR系)による非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)で冷却していることになっている。
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス ~揚水井No.10のトリチウム(H-3)濃度が1,500ベクレルに! 汲み上げを停止
※地下水バイパス揚水井No.10については、6月29日に採取した水の分析結果において、トリチウム濃度が運用目標値の1,500 Bq/Lであることを確認したことから、 当該揚水井の汲み上げを6月30日午後4時16分に停止。今後、地下水バイパス一時貯留タンク内の評価を行う。その他の揚水井分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
地下水バイパス ~通算71回目の海洋排水を終了。排出量は1,165トン
6月30日午前10時22分より海洋への排水を開始。同日午前10時24分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
同日午後3時6分に排水を停止。排水停止状態に異常のないことを確認。排水量は1,165m3。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
6月30日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<周辺地下水G-2のトリチウム濃度>
6月13日 150Bq/L
6月14日 悪天候により採取中止
6月15日 悪天候により採取中止
6月16日 悪天候により採取中止
6月17日 260Bq/L
6月18日 250Bq/L
6月19日 220Bq/L
6月20日 悪天候により採取中止
6月21日 1,300Bq/L
6月22日 290Bq/L
6月23日 悪天候により採取中止
6月24日 1,800Bq/L
6月25日 340Bq/L
6月26日 170Bq/L
6月27日 1,100Bq/L
6月28日 690Bq/L
6月29日 330Bq/L
1~4号機タービン建屋東側
新規事項なし
地下貯水槽
新規事項なし
1~3号機放水路 ~2号機放水路立抗でセシウムが過去最高値
<最新のサンプリング実績>
6月29日に採取した2号機放水路立抗水上流側のセシウム134およびセシウム137の値が、前回値より上昇し、過去最大となったことを確認。本立抗のセシウム134およびセシウム137は、これまで上昇・下降を繰り返す傾向にあり、今回の値が特異的に上昇したものではないと推定。なお、港湾内海水の分析結果については、有意な変動は確認されていない。他の放水路立坑水分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
最終更新: