6月25日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
故障して2日間放置していたサンプル採取器が設置された排水路の水で、トリチウム濃度がNDから2,500ベクレルに急上昇した件の続報。C排水路35m盤のトリチウム濃度はNDに
※構内排水路の定例分析について、2015年6月16日、17日のC排水路35m盤での採取が採水器の不具合により水の採取が出来なかった。6月18日に採水器を補修し、当該排水路の水を採取して分析したところ、トリチウム濃度が、前回値(6月10日採取)の検出限界値(9.1Bq/L)未満に対して、6月18日の分析では2,500Bq/Lと上昇していることを確認した。(既出)
C排水路35m盤のトリチウム濃度の上昇について、6月19日および6月20日に採取したC排水路35m盤のトリチウム濃度は、検出限界値未満(検出限界値:9.5Bq/L)であることを確認した。
また、港湾内の海水のトリチウム濃度(6月19日採取)についても有意な変動がないことを確認した。
漏洩事故を起こした耐圧ホースによる汚染水移送ラインをポリエチレン管に付替え
※側溝に敷設されている耐圧ホースからの漏えいについて、今回、漏えいが発生した1000tノッチタンクから3号機タービン建屋への移送ラインについては、信頼性向上を目的に2014年3月より耐圧ホースからポリエチレン管(以下、「PE管」という。)への付け替え工事を進めていたが、他工事との作業エリア干渉等により2014年10月に付け替え工事を中断していた。
当該耐圧ホースの漏えいを受けて、中断していた付け替え工事を再開し、2015年6月20日にPE管への付け替えが終了したことから、1000tノッチタンクから3号機タービン建屋への移送を、本日午前10時13分に開始した。
なお、移送開始後、午前10時29分に漏えい等の異常がないことを確認した。
1~2号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機復水貯蔵タンクの滞留水を、1号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中。
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月21日午前10時25分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
3号機 ~タービン建屋の高濃度滞留水の移送を再開(移送先は高温焼却炉建屋)
1号機の冒頭3項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月25日午前10時39分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
4号機~6号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
地下水バイパス ~通算70回目の海洋排水を終了。排出量は1,229トン
6月24日午前10時10分より海洋への排水を開始。同日午前10時30分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
同日午後3時8分に排水を停止。排水停止状態に異常のないことを確認。排水量は1,229m3。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
6月24日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、測定箇所の上部で高所作業を行っていたことから、パトロール員の安全確保のため70μm線量当量率測定を一部実施できなかった箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
H4エリア周辺地下水、23日は悪天候により採取中止
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
6月23日採取分については、悪天候のため採取を中止している。
H6エリア周辺地下水、23日は悪天候により採取中止
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
6月23日採取分については、悪天候のため採取を中止している。
1~4号機タービン建屋東側
新規事項なし
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~3号機放水路
新規事項なし
K排水路の状況
新規事項なし
<最新のサンプリング実績>
6月23日午後3時50分に採取した水の分析結果(セシウム134、セシウム137、全ベータ値)が前日の分析結果よりも上昇しているが、降雨の影響により一時的に上昇したものであると推定。また、港湾口連続モニタの値については有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
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