6月17日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
1号機原子炉格納容器ガス管理設備B系監視不能の続報。検出器を交換して対応。原因究明は「未」
6月12日午前6時10分頃、電圧低下で監視不能。一過性のものと判断。6月12日午後4時45分のサンプリングでデータに異常がないため監視に復帰。6月13日午前4時36分にキセノン135の指示がダウンスケール。測定ができていなとして監視不能と判断。原因究明を行うということだったが、部品交換で監視に復帰。
6月13日午前4時36分に、キセノン135の指示が1.34×10-3Bq/cm3からダウンスケールとなったことから、当該設備(B系)は動作不良と判断。(既出)
その後、当該設備(B系)の点検を行ったところ、冷却機能低下が疑われたことから、6月16日に原因の可能性がある機器として、冷却装置、検出器の交換を実施。交換後の当該設備(B系)の指示については、事象発生前のデータと比較し同等であり、指示値も安定していることから、6月17日午後0時45分に当該設備(B系)による監視を再開。なお、当該設備(A系)については、正常に動作しており、プラントデータ監視に支障はない。
また、プラントデータ(原子炉圧力容器底部温度、格納容器内温度等)の異常、モニタリングポスト指示値の有意な変動は確認されていない。
多核種除去設備建屋内で協力企業作業員が作業中に転倒し骨折。いわき市の病院で診察を受けた結果、全治約3カ月
※6月16日午後1時20分頃、構内にある多核種除去設備建屋内において、協力企業作業員が作業中につまずいて転倒し負傷。
入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受けたところ、右大腿骨膝関節部骨折の疑いがあると診断されたため、同日午後2時53分に救急車を要請。なお、当該作業員に意識はあり、身体に放射性物質の付着はない。
その後、いわき市立総合磐城共立病院で診察を受けた結果、「右大腿骨内顆骨折」、全治約3ヶ月程度の見込みと診断された。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機復水貯蔵タンクの滞留水を、1号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中。
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月11日午前10時15分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆3号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~第二セシウム吸着装置(サリー)「停止中」
第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
その他の項目に新規事項なし
・セシウム吸着装置停止中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中
※ 2種類あるセシウム吸着系、同様の仕組みであるストロンチウム除去装置2系統もあわせて、汚染水の一次処理がすべて停止している。
地下水バイパス ~通算69回目となる海洋排出の準備が進む
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の当社および第三者機関による分析結果[採取日6月7日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
地下水バイパス揚水井分析結果 ~6月15日は悪天候により採取中止
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
6月16日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
H4エリア ~15日は悪天候により「採取中止」
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
6月15,16日採取分については、悪天候のため採取を中止している。
H6エリア ~15日は悪天候により「採取中止」
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
6月15日採取分については、悪天候のため採取を中止している。
1~4号機タービン建屋東側 ~16日は悪天候のため「採取中止」
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
6月16日採取分については、悪天候のため採取を中止している。
1~4号機タービン建屋東側 ~悪天候の15日に採取した港湾外の海水で全ベータが過去最高値
<過去最高値>港湾口北東側(海水)
全ベータ:24Bq/L(2015年6月15日採取)
これまでの最高値:17Bq/L(2015年3月23日採取)
<過去最高値>港湾口東側(海水)
全ベータ:20Bq/L(2015年6月15日採取)
これまでの最高値:18Bq/L(2015年5月30日採取)
<過去最高値>港湾口南東側(海水)
全ベータ:16Bq/L(2015年6月15日採取)
これまでの最高値:ND
外洋の海水で20ベクレルを超えるとということは、自然界のカリウム40の影響とは考えにくい状況になっている。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~3号機放水路
新規事項なし
K排水路の状況
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
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