うまいだけの選手はたくさんいるけど、うまいだけではプロ野球選手にはなれません。
高校生だったら甲子園という大舞台で勝ち進むことによって、潜在能力がありながらも今までは目立たなかった選手がスカウトの目に留まりドラフトで指名なんていうケースもあります。いくら力があってもスカウトの目に留まらなければ話になりません。そういう意味では甲子園で勝ち続けることはプロ野球選手への近道なのかもしれません。
清原や松井のような超高校級と言われている選手ならともかく、球団が高校生を指名する場合のたいていは将来を見据えての先行買いになります。『なかなかいい。うまく育てればおもしろいかも。。』スカウトに何かを感じさせる選手でなければいけないのです。イチローはそんな選手だったのでしょうか。
私は長年高校野球を見続けていますがイチローの高校時代の記憶はあまりありません。あとから知った情報も、『ピッチャーだった、なかなか速かった、甲子園に出たけど勝てなかった、投手としてよりも打者としてのほうが素質があった。』これくらいです。
1991年、18歳の鈴木一朗少年はドラフト4位でオリックス・ブルーウェーブの指名を受けます。根っからのドラゴンズファンだったイチローはオリックスから指名を受けたと知ったときにかなりがっかりしたそうです^^;
この少年がやがてはパ・リーグで7年間も連続で首位打者を獲り、日米通算4,000本ものヒットを打つ選手になるとは誰が予想したでしょうか。。。
イチローの高校時代はピッチャー
愛知県出身のイチローは地元の愛工大名電高に進学しました。イチローは入学時は170センチ程度だったそうです。甲子園は高校2年の夏と3年の春の2度出場、2年生のときは3番レフトで出場。1回戦で奈良の天理高校と対戦して1-6で敗れています。このときイチローは4打数1安打でした。
そして3年生の春のセンバツにイチローは愛工大名電のエースとして2度目の甲子園出場を果たします。長野の松商学園を相手に9回を1人で投げ切りますが2-3でまたも敗れてしまいました。
イチローの成績は9回を投げて115球、打たれたヒットは10本、3失点四死球2、4奪三振という結果でした。打者としても松商学園の上田佳範に三振・二ゴロ・遊直・中直・一ゴロの5打数0安打でした。
松商学園の上田佳範投手はイチローと同い年。イチローがオリックスに4位で指名された年のドラフトで日本ハムファイターズから1位指名を受けるほどの選手でした。
イチローの高校時代の甲子園の通算成績は2試合で9打数1安打.111でした。
甲子園に2回出場したものの、チームは1度も勝つことができず、投手としても10本のヒットを打たれて3失点。打者成績は9打数1安打の.111です。数字だけみるとスカウトの目に留まるような成績ではありませんでした。
ではなぜこの成績でプロ野球選手になれたのでしょうか。。。
イチローは昔からイチローだった!
甲子園では結果を残せなかったイチロー。しかし結果が出なかったのは甲子園だけなのです。
イチローを甲子園だけしか見ていないスカウトがもしいたとしたら、イチローは目に留まらなかったと思います。
逆にずっと前からイチローを見て、その才能に惚れ込み追いかけ続けていたスカウトがいたとしたら迷わず指名したと思います。
私はイチローの高校3年間、公式戦も練習試合もすべて含めた成績を知り、かなりの衝撃を受けました。
高校3年間で151試合に出場しました。これはだいたいプロ野球の1年間の試合数って考えると、この後の数字が想像しやすいと思います。613打席、537打数もちょうどイチローがパリーグで活躍していたころの数字とほぼ同じです。
そしてその成績は、、、537打数269安打。打率.501です!
打点は211、三振はわずか20。盗塁は131個。すごいとしか言いようがありません。
高校3年最後の夏はあと1つで甲子園というところで負けてしまい、3度目の甲子園出場はなりませんでした。しかし最後の夏の愛知県大会でもイチローは抜群の野球センスを見せました。
8試合で28打数18安打。打率は.643。ホームラン3本は3試合連続。2塁打4、3塁打3。盗塁が13で三振は0。
野球をやったことがある方ならヒットを打つことがどれほど難しいか知っていると思います。打者なら10回中、3回ヒットを打てば合格と言われています。これが3割バッターです。プロ野球の長い歴史の中で1年間通して10回中、4回ヒットを打ち続けた選手はいないのです。つまり4割打者です。
それをイチローは高校時代151試合で5割を超える打率を残したのです。よくこの選手がドラフト4位まで残った。もしかしたらこう考えたほうが正解なのかもしれません。
イチローのもう一つの魅力
最後に私が思うイチローのもう一つの魅力を紹介します。
もう一つの魅力とは、『足』です。
足と言っても盗塁数がすごいとかではありません。
もちろん日米通算で700個近い盗塁をしているのだから盗塁数もすごいです。
しかし数よりもイチローがすごいのは、その盗塁で失敗しないということです。
今、プロ野球で盗塁を失敗しない『走塁のスペシャリスト』と言われているジャイアンツの鈴木尚広よりも盗塁成功率が断然高いのです。
鈴木 254回 208回成功 46回失敗 盗塁成功率.8188
イチロー 232回 199回成功 33回失敗 盗塁成功率.8577
オールドファンのためにもう少し調べてみました。
福本豊の盗塁成功率は.780。島田誠.722、広瀬叔功.8289、赤星憲広.812、松本匡史.768
イチローすごすぎませんか?
40歳を過ぎても、子どものようにグラウンドをはしゃぎまわるイチロー。
その姿はプロ野球選手を目指している野球少年だけでなく、すべての野球ファンを魅了します。
どんなにセンスがあったとしても、練習や努力なしではプロ野球選手には当然なれません。
イチローがプロ野球選手になれた理由。それは野球が大好きな少年が練習し努力し夢を追い続けた結果なのかもしれません。
■高校野球
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