2015年4月22日 今日の東電プレスリリース

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4月22日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月22日
www.tepco.co.jp  
【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
potaru.com

汚染水が外洋に流出したK排水路のポンプ起動とサンプリング結果

ポンプが停止した原因については、発電機の故障と判断し、発電機を予備のものに取り替え、準備が整ったことから、4月21日午後8時9分ポンプを起動し、移送を再開。なお、ポンプの起動状態に異常はない。発電機が停止した原因については、引き続き、調査中。

K排水路および南放水口の水のサンプリング結果は、以下の通り。
<K排水路>【4月21日 午前7時採取分】
 ・セシウム134:20Bq/L
 ・セシウム137:67Bq/L
 ・全ベータ:110Bq/L

<南放水口>【4月21日 午前7時40分採取分】
 ・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:1.1Bq/L)
 ・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:1.3Bq/L)
 ・全ベータ:検出限界値未満(検出限界値:15Bq/L)

<参考>
 ■告示濃度限度
   セシウム134 : 60 Bq/L
   セシウム137 : 90 Bq/L
   ストロンチウム90 : 30 Bq/L
   トリチウム : 60,000 Bq/L

■WHOの飲料水水質ガイドライン
   セシウム134 : 10 Bq/L
   セシウム137 : 10 Bq/L
   ストロンチウム90 : 10 Bq/L
   トリチウム : 10,000 Bq/L

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月22日

外洋に流出したK排水路内の水が「雨水」と呼べるものでないことが明らかになった。この数値で気になるのは、セシウム濃度に比べて全ベータが非常に高いということ。2号機大物搬入建屋屋上が汚染源だとすると、セシウムは全ベータと同レベル化それ以上である蓋然性が高い。

全ベータが高いということは、2号機大物搬入建屋屋上以外に、別の枝排水路から別の汚染水が流入している可能性も否定出来ない。

 「K排水路の汚れた雨水が海に流出」の詳しい経緯
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5号機原子炉圧力容器内の核燃料を使用済燃料プールに移す作業が始まる

※5号機原子炉内の全ての燃料について、4月22日午前9時18分より、使用済燃料プールへの移動作業を開始。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月22日

【以下は参考写真】
福島第二原発で行われた燃料移動作業の写真。第一原発5号機とは原子炉の型は異なる。

原子炉から燃料集合体の取り出し
原子炉から燃料集合体の取り出し

photo.tepco.co.jp

燃料交換機移動の様子(手前:使用済燃料プール)
燃料交換機移動の様子(手前:使用済燃料プール)

photo.tepco.co.jp

「福島第二原子力発電所1号機 燃料移動作業の完了について」掲載日:平成26年7月11日 撮影日:平成26年6月3日 提供:東京電力株式会社

高性能容器(HIC)の蓋付近で高濃度のたまり水が発見された件の続報。さらに1基のHICに水たまり

※吸着塔保管施設第二施設のHICについては、4月15日までに103基の点検を実施し、11基のHIC蓋外周部に水溜まりを確認。これまで水溜まりが確認されたHICについては、予防措置的に蓋外周部に吸着マットを置く作業を実施しているが、水溜まりが確認されなかったHICについても、4月21日より順次吸着マットを置く作業を実施。この中で4月21日3基のHICの作業を実施した際、新たに1基のHICの蓋外周部に水溜まりを確認。

   【水溜まりを確認したHIC】      【製造番号】
    ・AK6ボックスカルバート内HIC → PO646393-190

引き続き、現場調査を継続するとともに、原因究明を行う。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月22日

1号機所内ボイラー室およびディーゼル発電機(B)室の水位が制限内に復帰

※特定原子力施設に係る実施計画 Ⅲ特定原子力施設の保安(以下、「実施計画」という)第1編第26条「建屋に貯留する滞留水」の表26-2で定める1号炉タービン建屋滞留水水位の運転上の制限「各建屋近傍のサブドレン水の水位を超えないこと」を満足できていないことについて、4月21日、1号機所内ボイラー室およびディーゼル発電機(B)室の水位を確認した結果、近傍のサブドレン水位より十分低い状態となったことから、午後4時28分に、実施計画 第1編 第26条に定める運転上の制限内への復帰を判断。

   1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水の水位は以下のとおり。
    実測値:OP 4,190mm(4月21日午後2時15分)
    補正値:OP 4,301mm 
   4月21日午後2時15分頃時点の1号機ディーゼル発電機(B)室近傍のサブドレン(No.1)の水位は、OP5,053mm。

   また、1号機所内ボイラー室の滞留水の水位は以下のとおり。
    実測値:OP 4,120mm(4月21日午後2時35分)
    補正値:OP 4,185mm
   4月21日午後2時35分時点の1号機所内ボイラー室近傍のサブドレン(N1)の水位は、OP5,371mm。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月22日

1号機

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※ タービン建屋地下の滞留水移送は停止中

1号機ディーゼル発電機(B)室→1号機タービン建屋へ滞留水を移送

・1号機ディーゼル発電機(B)室→1号機タービン建屋へ滞留水を移送実施(2015年4月21日午後1時4分~午後2時1分)
1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水移送前後の水位は以下のとおり。
〈移送前〉 
実測値:OP4,400mm(4月21日午後1時)
補正値:OP4,517mm 

〈移送後〉 
実測値:OP4,190mm(4月21日午後2時15分)
補正値:OP4,301mm 

同日、午後2時15分頃時点の1号機ディーゼル発電機(B)室近傍のサブドレン(No.1)の水位は、OP5,053mm。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月22日

2号機~6号機

新規事項なし

◆2号機
1号機の冒頭4項目と同じ記載に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年4月20日午前11時42分~)

※滞留水移送は稼働中

◆3号機
1号機の冒頭の4項目と同じ記載に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年4月20日午前11時38分~)

※滞留水移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

※ 上に新規事項として記載された内容によると、原子炉圧力容器の蓋を開放し、燃料プールとつなげ、圧力容器内の核燃料を水中経由で燃料プールに移動する作業が4月22日午前9時18分から始まったものと見られる。

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中

地下水バイパス ~通算60回目となる海洋排出の準備が進む

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の当社および第三者機関による分析結果[採取日4月12日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月22日

 福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク分析結果|東京電力 平成27年4月22日
www.tepco.co.jp  

地下水バイパス揚水井分析結果(4月6日採取)揚水井No.10のトリチウム濃度が過去最高値

 福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果|東京電力 平成27年4月22日
www.tepco.co.jp  

<地下水バイパス揚水井No.10> 過去最高値
トリチウム(H-3):1,100 Bq/L(平成27年4月20日採取)
 これまではの最高値:1,000 Bq/L(平成27年4月13日採取)

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