4月26日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
1号機 〜タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開(移送先は1号機廃棄物処理建屋)
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
加えて、
・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送中(2015年4月26日午前6時25分~)
※滞留水移送は実施中
2号機
新規事項なし
1号機の冒頭4項目と同じ記載に加えて、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(2015年4月24日午前10時56分~)
※滞留水移送は実施中
3号機 〜タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を停止
1号機の冒頭4項目と同じ記載に加えて、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送実施(2015年4月24日午前11時12分~4月26日午前5時49分)
※滞留水移送は停止中
4号機~6号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・原子炉から使用済燃料プールへ燃料移動中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
4月25日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H4周辺地下水E-1の全ベータ値>
4月21日採取 15,000Bq/L
4月22日採取 8,300Bq/L
4月23日採取 5,800Bq/L
4月24日採取 5,400Bq/L
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H6周辺地下水G-1のトリチウム値>
3月17日採取分で過去最高値 3,400Bq/Lを記録して以来、それまでの週1発表から毎日発表になっている。
3月17日採取 3,400Bq/L
(中略)
4月17日採取 210Bq/L
4月18日採取 290Bq/L
4月19日採取 1,100Bq/L ※大幅に上昇
4月20日採取 710Bq/L
4月21日採取 990Bq/L
4月22日採取 1,500Bq/L ※かなりの上昇
4月23日採取 1,500Bq/L
4月24日採取 2,100Bq/L
※ 3月10日(最高値の前回測定)の値は 480Bq/L
3月3日はND(検出限界値:10Bq/L)
<H6周辺地下水G-2のトリチウム値>
4月17日採取 210Bq/L
4月18日採取 400Bq/L
4月19日採取 760Bq/L
4月20日採取 380Bq/L
4月21日採取 2,500Bq/L ※大幅に上昇
4月22日採取 2,000Bq/L ※若干減少
4月23日採取 310Bq/L
4月24日採取 300Bq/L
※G-2のトリチウム値は、タンクからの汚染水漏れが発生から約1か月後の平成26年3月24日・25日に記録した7,000ベクレルがこれまでの最高値だが、27日には660ベクレルまで減少していた。
<H6周辺地下水G-3のトリチウム値>
漏洩タンクから最も遠いG-3もトリチウム値が上昇
4月15日採取 520Bq/L
4月16日採取 390Bq/L
4月17日採取 360Bq/L
4月18日採取 320Bq/L
4月19日採取 280Bq/L
4月20日採取 270Bq/L
4月21日採取 310Bq/L
4月22日採取 380Bq/L
4月23日採取 320Bq/L
4月24日採取 330Bq/L
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1号機放水路
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆採取日 (4月17日)→(4月20日・欠測)→(4月22日)→最新(4月24日)
<1号機放水路立坑水(上流側)>
セシウム134:10,000 Bq/L → (欠測)→ 15,000 Bq/L → 16,000 Bq/L
セシウム137:36,000 Bq/L →(欠測)→ 54,000 Bq/L → 57,000 Bq/L
全ベータ: 45,000 Bq/L →(欠測)→ 66,000 Bq/L → 72,000 Bq/L
トリチウム: 180Bq/L →(欠測) → 360 Bq/L → 370 Bq/L
<1号機放水路立坑水(下流側)>
セシウム134:1,400 Bq/L →(欠測)→ 1,100 Bq/L → 1,100 Bq/L
セシウム137:5,000 Bq/L →(欠測)→ 4.200 Bq/L → 3.800 Bq/L
全ベータ: 8,100 Bq/L →(欠測)→ 6,500 Bq/L → 6,500 Bq/L
トリチウム: 1,200 Bq/L →(欠測)→ 1,400 Bq/L → 1,400 Bq/L
関連データ(東京電力以外のサイト)
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年4月26日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
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