2015年3月31日 今日の東電プレスリリース

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3月31日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年3月31日
www.tepco.co.jp  
【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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まさかサブドレン水の海洋排出の準備か?「福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン浄化水の分析結果」との新資料がリリースされる

「福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン浄化水の分析結果|東京電力 平成27年3月31日」より
「福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン浄化水の分析結果|東京電力 平成27年3月31日」より
「福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン浄化水の分析結果|東京電力 平成27年3月31日」より
「福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン浄化水の分析結果|東京電力 平成27年3月31日」より

注釈に記された「地下水バイパス『一時貯水タンク』」は、地下水バイパスを海洋に廃棄する前に一旦貯蔵して、放射線量を測定するタンクである。地下水バイパスと同様の流れでサブドレン水の海洋廃棄の準備を進めていることの現れともとれる。

問題は「数値」ではなく、「東京電力の信頼性」だったはずだ。
現在の数値の低さだけでサブドレン水の海洋廃棄の準備を進めているとしたら注視が必要なのは言うまでもない。

 福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン浄化水の分析結果|東京電力 平成27年3月31日
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 【コラム】信頼回復ないままサブドレン水を海に捨てるつもりか?
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29日夜、原発構内免震重要棟付近の側溝で発生した火災の続報

平成27年3月30日、側溝内を通っている複数のケーブル・ホース類について、現場調査の結果、9本のケーブル・ホース類が通っていることを確認。確認したケーブル・ホース類については、以下の通り。
・原子炉注水用ホース(仮設消防車用)1本
・使用済み燃料プール補給用ホース(非常用)2本
・No.1,2純水タンク補給水用電動弁ケーブル 1本
・No.1,2純水タンクレベル計監視用電源ケーブル 1本
・水処理メタクラ(A系)用電源ケーブル 1本(既出)

(以下、追加記載)
・物揚場仮設タンク移送ホース 2本
・ろ過水タンク淡水移送ホース 1本

また、5,6号機の起動用変圧器5SA-2において発生した地絡警報は、水処理メタクラ(A系)用電源ケーブルが損傷したことにより発生したものと推定。今後、発煙の原因調査を行うとともに、損傷したケーブル・ホース類の応急措置等の検討を行う。(この段も既出)

(以下、新規追加)
公設消防による現場確認の結果、3月30日午後4時50分に火災であると判断された。また、3月29日午後9時50分に鎮火していたと確認いただいた。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年3月31日

火災発生の2日後、3月31日に新規事項として追加されたのは以下の二点

○火災発生場所の側溝内に配備されていたホース3本が、何なのか、火災の翌日には分かっていなかったということ。

○「側溝内から煙が出ている」としてきた事象が、公設消防(双葉消防本部か)によって「火災」であったと判断された。(判断されるまではあくまでも「煙が出ている」事象というスタンス)

※なお、鎮火について公設消防から「確認いただいた。」と、違和感ある表記がなされている事情や背景は不明。

これまで整備されていなかったことが問題だった「福島給食センターについて」のリリースを発表

昨年から建設が始まった「福島給食センター」が3月までの工期を終え、4月中旬以降に運用を開始するとのニュースリリース。建設場所は事故原発の南西約9キロ。なぜか表紙には通常の報道発表資料にある「参考資料」「東京電力株式会社」の記載がない。

「福島給食センターについて|平成27年3月31日」より
「福島給食センターについて|平成27年3月31日」より

作業員に温かい食事を提供することが給食センター建設の主な目的であるはずだが、原発事故の4年後までそんな施設すらなかったことを、むしろ作業員や社会に対してお詫びすべきではないだろうか。そもそも放射線管理区域に匹敵する場所もあり、放射性物質の偏在の危険もある事故原発構内での飲食が許されるのかという別の重大な問題もあるが。

7ページにわたるリリースには次のような内容まで記載されている。

給食センターの効果を3項目にわたって宣伝。
・温かい食事の提供によって7000人の作業員の労働環境が抜本的に改善。
・給食センターの建設・運営に伴う雇用の創出。
・福島県産食材の使用・地域雇用による風評被害の払拭。

95人のほとんどが福島県出身者(その割に双葉郡出身者は19人)従業員が食事をする食堂には大型ディスプレーで廃炉作業の最新状況をお伝えするらしい。リリースではこのことを「地域の方に福島第一の状況を理解していただきたい」と記しているが、広報するほどの内容だろうか。

さらに、給食センターの近隣には野菜工場を建設する予定で、給食センターには「地域の小中学生をご案内することを検討中」とも伝える。

誰かがブレーキをかけないと、おかしなことがさらに加速してしまう。マスコミはこのニュースを「廃炉に向けての作業環境が改善される明るいニュース」として発信するのだろうか。4月中旬以降とされる給食センターオープンのニュースには要注意だ。

 福島給食センターについて|平成27年3月31日
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1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月26日午前10時14分~)

※滞留水移送は実施中

◆3号機
1号機と同じ4項目

※滞留水移送は停止中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中

地下水バイパス ~通算56回目となる海洋への排出を終了。排出量は1,428トン

3月30日午前10時23分、海洋への排水を開始。同日午前10時28分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)

同日午後4時3分に排水を停止。排水停止状態に異常のないことを確認。排水量は1,428m3。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年3月31日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

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