3月18日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
本店と事故原発で原子力防災訓練
平成26年度としては「7回目」となる(公開された動画より)、事故原発と福島第二原発の同時被災を想定した原子力防災訓練が行われたという。その模様を東京電力は写真と動画で発表している。
状況をどのようにとらえるかは、ご覧になられた方の判断にお任せします。
タービン建屋東側 地下水観測孔No.1-8とNo.1-11でセシウム-134、セシウム-137が過去最高値の続報
新規事項としてではなく、前日と同じ内容が掲載されている。
※3月16日採取した地下水観測孔No.1-11において、前回(採取日3月12日)と比較し、セシウム134は前回0.39Bq/Lに対し4.7Bq/L、セシウム137は前回0.89Bq/Lに対し16Bq/Lと上昇を確認。また、地下水観測孔No.1-8においても前回(採取日3月9日)と比較し、セシウム134は前回16Bq/Lに対し73Bq/L、セシウム137は前回49Bq/Lに対し230Bq/Lと上昇が確認されたが、同日採取したNo.1-11およびNo.1-8近傍の地下水観測孔6箇所の測定結果に有意な変動は確認されていないことから、3月17日上昇が確認された当該観測孔2箇所について再度サンプリングし測定を行う予定。
なお、地下水観測孔No.1-11およびNo.1-8の位置する1・2号機取水口間では、海洋への流出防止を目的として、ウェルポイントにおける地下水の汲み上げを継続している。
2号機海水配管トレンチの立坑A、立坑Dの滞留水を2号機タービン建屋に移送。グラウト充填工事のため
※2号機海水配管トレンチの立坑Aおよび、立坑Dの滞留水については、グラウト充填工事に伴い、滞留水水位の上昇が予測されることから、3月18日午前10時4分より、2号機タービン建屋に移送を開始。
1号機 ~タービン建屋から1号機廃棄物処理建屋への高濃度滞留水移送を再開
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
加えて、
・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月18日午前6時25分~)
※滞留水移送は稼働
1号機タービン建屋の滞留水移送は、1月6日(午前9時46分~午後4時4分)以来。
2号機~6号機
新規事項なし
◆2号機
1号機と同じ4項目の記載。加えて、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月2日午前10時25分~)
※滞留水移送は稼働
◆3号機
1号機と同じ4項目の記載
※滞留水移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス ~通算54回目となる海洋排出を開始
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の当社および第三者機関による分析結果[採取日3月7日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
3月18日午前10時16分、海洋への排水を開始。同日午前10時23分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス揚水井分析結果(3月16日採取)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
3月17日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、一部実施できない箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
一昨日採取データへのトリチウム(H-3)濃度追記と、前日採取データ(トリチウム以外)のセットでの発表が3月12日以降続いている。
最終更新: