平成23年3月17日(木)
石巻日日新聞「号外」
街に灯り広がる
電気復旧1万戸超す
希望が見えてきた! 避難所にも通電開始
石巻日日新聞の壁新聞(号外)3月16日(木)号
スイッチを点ければ電気が灯る。そんな当たり前が石巻で復旧し始めたのは、東北電力石巻営業所が作業を再開した15日から。作業員の人たちにも被災された方が少なくなかったことでしょう。津波で流されることのなかった地域の電力を復旧していく作業にどのような気持ちでのぞんでいたのか、気になります。
電気は大きな被害を受けなかった地域ばかりでなく、避難所にも届けられました。東松島市の矢本第一中学での記事を一部引用させていただきます。
市立矢本第一中学校に避難している女性は「あかりが灯った瞬間には、みんなで拍手をして喜んだ。これで希望が見えてきた感じがする」と復旧とその先にある復興に期待を寄せていた。
石巻日日新聞の壁新聞(号外)3月16日(木)号
4年前の今日、避難所に灯されたあかり。人々のこころに灯されたあかり。
今回の大震災では、日本中の人たちが多かれ少なかれ被災者でした。遠い道のりを歩いて帰宅したこと、覚えていますか。コンビニやスーパーから商品がなくなったこと、覚えていますか。テレビのコマーシャルが全部ACだったこと、覚えていますか。計画停電の真っ暗な夜のこと、覚えていますか。
灯されたあかりのことを覚えていますか?
4年後の今日も、同じ呼び名の日が巡ってきます。石巻日日新聞が壁新聞の号外からパソコンのプリンターで印刷した新聞になった明日3月18日も、社に電気が開通して古い輪転機で刷った新聞を避難所に届けて回った日々も、同じ日はずっと巡ってきます。
その時には、忘れることなどできないだろうと思ったことがたくさんあるでしょう。それなのに、どこかに行ってしまった記憶もあるでしょう。
しかし、ひとには思い出す能力も、想像する力もあるということを忘れないでいたいと思います。記憶は自動的に記録されるのはなく、獲得するものだと思うのです。
絆の駅「石巻ニューゼ」
6枚の壁新聞が展示されている絆の駅「石巻ニューゼ」には、震災後の日々の記憶が実物として保存されています。
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