【大震災を自分事に】3月16日の壁新聞「支え合いで乗り切って」

iRyota25

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震災の翌日から6日間にわたって発行された石巻日日新聞の手書きの壁新聞から3月16日分を紹介します。

平成23年3月16日(水)
石巻日日新聞「号外」

支え合いで乗り切って

全国から激励のメッセージ

「未曽有の災害を乗り切ってほしい」とのメッセージが全国から届いている。

女川町5千人安否不明

石巻日日新聞の壁新聞(号外)3月16日(水)号

記事の本文には、石巻市内の避難者数、死者行方不明者の数、日和大橋が通行できないこと、内海橋は徒歩なら渡れること、食料品の販売を再開した店舗の情報、ライフラインの復旧情報、避難所でインフルエンザが流行を見せていることから咳エチケットの呼びかけ、女川町に他県からのレスキュー隊や自衛隊が続々到着していること、屋根にしがみついたまま沖合まで流され、航行中の船に助けられた人がいることなどが記されています。

地域の人々が必要とする身近な情報が小さめの文字でびっしりと記されてる一方、見出しは「支え合いで乗り切って」とのメッセージ。

地域密着の地元の新聞社としての使命感と、なんとしても町を守りたいという思いがにじみます。見方を変えれば、「支え合いで乗り切って」と呼び掛けずにはいられない状況が震災6日目の町に広がっていたということかもしれません。

震災から6日目。長い期間にわたって浸水が続いた石巻の町は、ようやく主要幹線道路で通行可能なところが増えてきた状態。通行可能な道路は増えたものの、壁新聞に掲載された災害対策本部の呼びかけは、

ただし夜間はガレキや漂流物が道路に散乱している為、「夜間は外出を控えるように」

石巻日日新聞の壁新聞(号外)3月16日(水)号

外出を控えてほしいのは、単に道が悪いというだけの理由ではなかったそうです。

助けあった話、いい話がある一方で、「許せないことが多すぎた」とまなじりを決して当時のことを話してくれる人もいます。

それが被災した土地の現実でもあったのです。だからこそ「支え合いで乗り切る」ことが切実な問題だったのです。そのことを忘れちゃいけないし、防災や災害からの避難について考える際には、そんな厳しい状況が現実に繰り広げられることを思い描かなければならないのです。

石巻日日新聞の手書きの壁新聞は、そこに書かれた文字としての記事の向う側にあった現実をも語りかけてくれるもの。ぜひ実物を石巻で見ていただきたいのです。絆の駅「石巻ニューゼ」では、武内宏之館長はじめスタッフのみなさんから、忘れてはならないたいせつな記憶を手渡してもらえます。

絆の駅「石巻ニューゼ」

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