12月17日の「日報」では、3号機使用済み燃料プールからのガレキ撤去作業を再開するに当たって、8月29日に発生した燃料交換機操作卓落下事故の原因と今後の対策について記載された。
同日、操作卓と一緒に落下した架台の一部の撤去作業について、簡単なニュースリリースが発表された。このリリースにある「張出しフレーム」とは、事故発生当初「架台の一部」と記載されていたものと考えられる。
上に持ち上げると、他のガレキと干渉して、8月29日の事故と同様の危険があるため、吊り下げた高さを維持した状態で横移動し、燃料ラック上に設置している養生板の上に置いた上で、プールから取り出すという作業を慎重に行ったことが報告されている。
撤去された張出しフレームの重さは約170キロ。操作卓はさらに重たくて約400キロだという。これらの取り出しが終わった後も、もっと大きなもの、重たいものを切断したり、移動したりしながら取り出さなければならない。プール内で燃料に覆い被さるように沈んでいるガレキのイラストや写真を見ると、まだまだ先が長いことを痛感する。
8月30日に撮影・発表された3号機プール内の写真
東京電力の「写真・動画集」に8月30日に掲載された「福島第一3号機使用済燃料プール内瓦礫撤去作業中における燃料交換機操作卓の落下について(水中カメラによる調査結果)」を引用。
クレーンを使って遠隔操作で「ジェンガ」をゲームするようなもの
9月1日に発表された「写真動画集」にも、30日に撮影された架台の写真が掲載されていた。これらの写真と今回の作業についての資料の写真を見比べると、作業内容を想像することができる。作業のキモは、接触している他のガレキからいかに分離して、他のガレキが崩落しないように抜き取って取り出すこと。
遠隔操縦のクレーンの先にぶら下げた作業用のカニばさみで、「ジェンガ」をゲームするようなものとでも想像すればいいのだろうか。しかもこのジェンガは部品の形がばらばらで、かつ極めて複雑な形状をしているのだ。
最終更新: