4号機燃料プールからの使用済み燃料取出し・移送を完了。残された新燃料180体は取出し後、6号機の使用済み燃料プールに移送する予定
11月5日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発の現状を読んでいきます。
4号機プールの使用済み燃料の移送を完了。作業は新燃料の移送へ
※平成25年11月18日より、4号機の使用済燃料プールから共用プール建屋使用済燃料プールへの使用済燃料移動作業を実施していたが、平成26年11月5日午後0時47分に全ての使用済燃料について移動作業が終了。今後準備が整い次第、4号機使用済燃料プールに保管されている新燃料について、6号機使用済燃料プールへの移動作業を行う予定。
11月5日付で、10月31日撮影とされるキャスクへの移送風景の写真が公開された。キャスクピット(燃料を水中でプールから移し替えるために、移送容器:キャスクを水中に沈めつ場所)の縁に人が立っている。足元の隙間から燃料体はキャスクに移送される。
人物の頭の辺りには燃料取扱機の先端部分が、また足元の隙間の下の方の水中にはキャスク頭部の一部が見える。また人物の横に設置されている柵のようなものは、単管パイプとクランプによる仮設のものであることも見てとれる。
燃料取出作業前に行われた「模擬燃料を用いた燃料取扱機の最終確認」と題された写真(昨年の11月15日撮影)では、作業員は燃料取扱機の上にいる。転落の危険があるピットの縁に人が乗って作業して危険ではなかったのか、疑問が残るところだ。
ふれあい交差点での乗用車からの燃料漏れの続報
※11月4日午後1時46分頃、発電所敷地内ふれあい交差点近くの駐車場にて、乗用車から燃料が漏れていることを協力企業作業員が発見。当該燃料については受け皿にて受けている。同日午後2時14分、富岡消防署へ一般回線にて連絡。
(既出)
漏えい範囲については、駐車場内において約0.2m×約50mであり、中和剤による処理、吸着材による拭き取りを実施。
浪江消防署による現場確認の結果、同日午後3時35分に「危険物の漏えい」には該当しないと判断された。
なお、浪江消防署の指示に基づき、当該車両(ワンボックス車)の回りに立入禁止区域を設けるとともに、同区域内に水の散布を実施。
その後、当該車両の燃料の抜き取り作業を行い、11月5日午前9時30分に燃料の漏えいが止まったことを確認。
漏えいの原因は、ふれあい交差点南側駐車場に入る際に、駐車場入口に設置してある側溝上部のグレーチングが跳ね上がり、当該車両下部に接触したことで燃料タンクが損傷したものと推定。
グレーチングとは、道路側溝に設置される金網状の鉄製の蓋。大型車や工事車両も含めて多くの車両が出入りすることで、敷地内の道路が傷んでいると想像される。
1号機~3号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年10月27日午前10時43分~)
※滞留水移送は稼働中
◆3号機
1号機と同じ4項目
※滞留水移送は停止
4号機 ~使用済み燃料移送を終了。新燃料は6号機の使用済み燃料プールへ移送の予定
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへの燃料移動終了(平成26年11月5日)
残りの新燃料については、6号機使用済燃料プールへ移動予定
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
5号機~6号機
新規事項なし
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
11月4日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
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