週に一度しか測定値が発表されない1,2号機ウェルポイント汲み上げ水で、コバルト-60が過去最高値
11月25日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発の現状を読み進めます。
2号機海側トレンチを埋め立てるため、充填作業を開始。水位上昇が見込まれるが、海水面プラス3.5mを超えないように管理しながら作業を行うとのこと
※11月25日午前9時28分、2号機海水配管トレンチの閉塞を目的とした閉塞材料の充填作業を開始し、同日午前11時53分に終了。
なお、閉塞材料の充填作業により、当該トレンチの水位上昇が予測されることから、福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画に定められている、運転上の制限(OP+3.5m)を超えないよう管理し、当該トレンチ内の滞留水を必要に応じて2号機タービン建屋へ断続的に移送。
別途発表された資料によると、この日充填されたのは約80m3とのこと。
右の写真ではクレーンが目立つが、奥の緑色のコンクリートポンプ車から充填材は入れられている。クレーンはポンプ車のアームをサポートするために使われている模様。
1号機~4号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年11月13日午後3時7分~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年11月5日午後4時14分~)
※滞留水移送は実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
5号機 ~原子炉圧力容器と原子炉ウェルに水張りするため燃料プールの冷却を停止
・冷温停止中
・11月25日午前10時28分、原子炉圧力容器および原子炉ウェル水張りを行うため、使用済燃料プール冷却浄化系を停止。
なお、冷却停止時の使用済燃料プール水温度は18.3℃。
原子炉ウェルは圧力容器の直上にあって、使用済み燃料プールと原子炉を水で浸した状態で直結させる施設。炉内に残る燃料の取り出し作業が始められると考えられる。
福島県のホームページによると、5号機には現在548体の燃料が装荷されている。
6号機
新規事項なし
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
11月24日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側 ~海の近くで高い線量が続く1,2号機ウェルポイント汲み上げ水で、新たにコバルト-60が過去最高値
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
マンガン-54、全ベータとも極めて高い状態が続いている。
コバルト-60の過去最高値は、2014年8月9日の0.61Bq/L。11月中旬にマンガン-54などの核種の線量が上昇し始めた後も、コバルト-60はNDだった。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
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