雑固体廃棄物減容処理建屋北での測定結果が急上昇

iRyota25

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6月15日には1時間最高40ミリ、24時間雨量66ミリという激しい降雨の日もあったが梅雨の6月から夏を越えて9月16日までNDが続いた。

NDが途絶えた9月17日の降水量は0.0ミリ。
この時は2日前の15日から55.5ミリ、49.0ミリの雨が降った後にセシウム137で56Bq/Lを記録した。

●タンクエリアの堰から水が溢れるほどの10月の降雨では、セシウム濃度が上昇
10月15日:33.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
10月16日:118.0ミリ セシウム134:70Bq/L セシウム137:160Bq/L
10月17日:0.0ミリ セシウム134:74Bq/L セシウム137:180Bq/L
10月18日:0.0ミリ セシウム134:79Bq/L セシウム137:190Bq/L
10月19日:0.0ミリ セシウム134:62Bq/L セシウム137:140Bq/L
10月20日:102.5ミリ セシウム134:51Bq/L セシウム137:170Bq/L
10月21日:0.0ミリ セシウム134:97Bq/L セシウム137:190Bq/L
10月22日:10.5ミリ セシウム134:100Bq/L セシウム137:220Bq/L
10月23日:15.0ミリ セシウム134:83Bq/L セシウム137:160Bq/L
10月24日:7.5ミリ セシウム134:80Bq/L セシウム137:170Bq/L
10月25日:9.0ミリ セシウム134:56Bq/L セシウム137:150Bq/L

このデータを見ると、たしかに雨との関連があるように考えられる。
しかし汚染物質が雨とともに増加する理由が分からない。

セシウム137の数値がカウントされる状態は年明けまで続き、2014年1月下旬からようやくNDが支配的な状況になってきた。

2月15日、90.5ミリの降雨を記録した翌16日には、セシウム137は73Bq/L。その後2日でNDに戻った。

●4月の雨と100ベクレル超え
4月4日:88.5ミリ セシウム134:45Bq/L セシウム137:140Bq/L
4月5日:0.0ミリ セシウム134:28Bq/L セシウム137:100Bq/L
4月6日:3.0ミリ セシウム134:46Bq/L セシウム137:96Bq/L
4月7日:0.0ミリ セシウム134:26Bq/L セシウム137:100Bq/L
4月8日:0.0ミリ セシウム134:28Bq/L セシウム137:59Bq/L

そして今回の数値と雨の関係

●今回6月の降雨と測定結果
6月7日:40.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
6月8日:17.0ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
6月9日:24.5ミリ セシウム134:ND セシウム137:ND
6月10日:4.5ミリ セシウム134:170Bq/L セシウム137:460Bq/L
6月11日:13.5ミリ セシウム134:62Bq/L セシウム137:170Bq/L

雨は3日前から降っていた。しかしこの雨は積算しても100ミリを超えるような雨ではない。それでもセシウム137で460Bq/Lという、2011年9月に迫る高い線量が記録された。

東京電力は「測定結果が上昇した原因は、降雨が影響したものと考えられる」とする。

たしかに測定結果に降雨が影響するという表現は正しい。ただしそれは、雨が降れば測定値が上がるという「正の相関」があるということを意味するのものではない。

事故の後、この観測ポイントの測定結果が記載されるようになった2011年5月30日から昨年秋の台風による大雨までの2年半ほどの期間は、雨が降って上がることもあれば、降っても変化しない、降ってないのに上がるなど、雨と測定値の関連は必ずしも明確とは言えなかった。つまり、「上がったり、下がったり、変化しなかったりといった様々な形での影響がある」と言えるということだ。

たしかに2013年10月の豪雨と高い線量は、正の相関を示唆するものではあるが、この状況は1年にも満たない期間でのこと。より少ない雨量ではるかに大量の放射性物質を記録した今回が、同じ背景による同様の現象と考える妥当性はない。

地下の状況は変化していると考えた方が、むしろ正しい気がする。

「雑固体廃棄物減容処理建屋北」のデータを3年分追いかけてみて、地下水の状況がどれほど複雑なのかが少し分かったような気がする。そのことは、それほど離れていない観測点である「焼却工作建屋西側」のデータの動きと、雑固体廃棄物減容~のそれがまったく無関係に見えることからも明らかだ。

もちろん監視は重要だ。東京電力は毎日データを継続的にあげている。このこと自体はありがたいのだが、測定結果の変動についてのもっと具体的な調査は出来ないものなのか。もう一歩踏み込んでほしいという感想をもった。

データばかりの長い話におつきあいいただき、ありがとうございました。

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文●井上良太

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