2014年4月8日 今日の東電プレスリリース

iRyota25

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4月8日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年4月8日
www.tepco.co.jp  
 東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について|東京電力
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「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」の一覧ページ。過去の「日報」との比較に役立ちます。

Eエリア(D12)タンクの水位計が故障した模様

※4月8日午前11時30分頃、Eエリア(D12)タンクの水位計が、午前9時頃から午前9時30分頃にゼロを示した後、指示をしなくなったことを確認。

その後、現場にて目視を行ったところ、タンク周辺に漏えいがなく、当該タンク周辺の線量についても、バックグラウンドと同等であることを確認。

また、タンク上部からタンク内部を確認したところ、1段目と2段目のフランジの中間付近に水面があることから、水位は約3m程度であり、当該タンクと連結された他のタンク水位についても水位計を確認し、当該タンクと同等程度であったことから、水位計の異常と判断した。

今後、準備が出来次第、当該水位計については、交換する予定。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年4月8日

水漏れ等が起きていなかったことは幸いですが、
水位計の故障が一大事を招きかねない問題であることは論をまちません。とくに地下水バイパスの計画が進められる中、陸上タンクからの漏洩は許されない状況です。

水位計がひとつ故障しただけで計測不能になるという状況に問題はないのでしょうか。
バックアップは必要なかったのでしょうか。
汚染水を貯めるタンクの漏洩を監視する方法として、ほかにトレンドの監視という方法がとられているようですが、現に今回、水位計が動かなくなった後、結果的にタンクの蓋を開けて目視で確認(しかもフランジの中間付近だから3メートルくらいだろうという確認方法)せざるを得ない状況になるというのは、明らかにフェイルセーフの思想から逸脱するものだと言わざるを得ません。危険物を取り扱っているという意識を徹底してもらうことを切望する限りです。

Eエリアの位置を以下のマップに示します。

マップの中央下側です。(「福島第一原子力発電所 H6エリアタンク上部天板部のフランジ部からの水の漏えいについて」東京電力 平成26年2月20日)の4ページに加筆
マップの中央下側です。(「福島第一原子力発電所 H6エリアタンク上部天板部のフランジ部からの水の漏えいについて」東京電力 平成26年2月20日)の4ページに加筆

2月19日、バルブの操作ミスでH6エリアのタンクの天板から約100トンの汚染水が漏えいした事故の際、本来汚染水が移送されるはずだったのが「Eエリア」のタンクとのことです。

該当するD12タンクの内容物についての記載は見当たりませんが、EエリアにはHエリアと同様に、RO濃縮塩水(セシウムを除去した汚染水から淡水を取り除き、約2倍の濃度に汚染物質などを濃縮した極めて高濃度の汚染水。一旦タンクに蓄えた後、多核種除去設備(ALPS)で汚染物質をさらに分離する)が貯められていると考えられます。

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機の4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月27日午前9時49分~)

◆3号機
1号機の4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月12日午後3時48分~)

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備の状況

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

<最新のパトロール結果>
4月7日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(トレンドによる監視または警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年4月8日

◆H4エリア

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年4月8日

◆H6エリア

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年4月8日

1~4号機タービン建屋東側の状況

サンプリング実績に言及

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年4月8日

1~4号機サブドレン観測井の状況

新規事項なし

※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。

地下貯水槽の状況

サンプリングについて言及

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年4月8日

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年4月8日
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以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年4月8日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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