3月13日(木曜日)公開の「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」を、前日からの変化や変更を中心に見ていきます。
冒頭特記事項
◆ジャバラハウス内淡水化装置No3(逆浸透膜式)マルチメディアフィルタ付近の水溜りについて(続報)
その後、3月10日、11日に同装置マルチメディアフィルタ(No.1、No.2、No.3)について通水確認を実施し、漏えいが無いことを確認。
また、マルチメディアフィルタ上部の防凍シートの部分に雨水が溜まる可能性があることを確認。
さらに、水溜まり発生箇所近傍の床面に水を撒き、回収した水をサンプリングした結果、3月9日に発生した水溜まり水の値に近い放射能濃度であることを確認。
以上の確認結果から、水溜まりの原因は、ハウス内に侵入した雨水、または同装置マルチメディアフィルタ表面等の結露水が床に滴下したものと推定。また、水溜まり水は床に付着していた粉塵等により汚染した可能性があると推定。
*マルチメディアフィルタ
逆浸透膜のつまり防止のために逆浸透膜の前段に取り付けられたフィルタ
1号機~2号機
新規事項なし。
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月8日午前10時5分~)
3号機
1号機と同じ4項目に加え、
タービン建屋からの高濃度汚染水の移送先の変更を新規に記載。
・3号機タービン建屋地下→プロセス主建屋へ高濃度滞留水を移送実施(平成26年3月10日午前9時51分~平成26年3月12日午後3時32分)
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月12日午後3時48分~)
4号機~6号機
新規事項なし。
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備の状況
新規事項なし。
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況
最新のパトロールとサンプリングを新規事項として記載。
<最新のパトロール結果>
3月12日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(トレンドによる監視または警報監視)においても異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側の状況
新規事項なし。
地下貯水槽の状況
最新のサンプリング実績を新規事項として記載。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年3月13日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: