石巻でこどもたちと「だめ!」のないあそび場活動を元気いっぱい展開中のこども∞感ぱにー(こどぱにー)。
春休みのいま、4月2日から2泊3日でEcoキャンプ『自然とともにin牡鹿』をやっています。Facebookに投稿された記事から、その様子を見せてもらうと……。
いきなりこれ。
だめがないはずなのに、だめだなんてダメじゃん。いえいえそんな訳ではないのです。
○みんなで危険箇所の確認
大人がここが危ないよって教えるんじゃなくて、みんなで危ない箇所の確認をする!
こどぱにーのキャンプはそこからはじまります^_^
どんなところが危ないか考えて言ってみて。
「森の側溝!」
どうして行っちゃだめなのかな?
「落ちるし、滑るから!」
やり取りをしながら、黒板に書き込んでいってる様子が目に浮かびます。
ホームグラウンドのあそび場でいつもあそんでいる時にも大人が決めるルールはなし。何してあそぶかはもちろん、ルールらしきものも自分たちで決めていきます。そんな様子を見ていると、こっちまで楽しくなってしまうんです。なぜって、いろんな「ごっこあそび」が次から次へと飛び出してくるから。ごっこあそびって、そもそも何かになぞらえるためのルールが前提だから、ごっこあそびを発明するたびに、こどもたちは未知なるルールを創造し、その世界の中であそんでいたりするわけですね。
おっと、まじめな話をしちゃいそうになってしまった。
制約があったって!
海と山の自然が魅力の牡鹿半島でのEcoキャンプなのですが、キャンプ初日に地球の裏側で巨大地震が発生。影響で津波が日本に押し寄せてくることに。
気象庁が津波注意報を出した後、こどぱにースタッフのかづこさんが書き込んだ記事が最高でした。
チリ地震により、津波の注意報が3時にでました。
子ども達とキャンプ中のため、解除になるまで起きてて待機する係。
お腹がすきすぎて、昨晩の残りをつまみ食いしてしまった。(笑)
安全な避難場所の確認と食料と水の確保はOK!
後は、状況を見守るのみ。
かづこさんの書き込み
こどもたちには「∞」の可能性を思う存分発揮してもらう。
そして大人はこどもたちの安全をしっかり確保する。
そんでもって、大人も時々こどもになる!
こどぱにーらしさが詰まった書き込みです。
そしていつしか夜が明け、しかし津波注意報はずっと解除されることもなく。
○お昼ご飯作り中〜
津波の注意報が解除になるまで海遊びはなしにしようと。
やることないじゃんとテンション下がる子ども達。
昨晩、怖がってたのはどこえやら?(笑)
暇だと言うから、竹で箸を作ってしかけてみる。
どんどん、のってきて竹細工のはじまり。
流しうどんの竹やら、竹でご飯を炊いたり。
楽しんでくれてホッと一安心。
自然はうみだけじゃなくたくさんのあそびがかくれてるんだよ♫
○お昼ご飯作り中〜津波の注意報が解除になるまで海遊びはなしにしようと。... - こども∞感ぱにー ~あそびは生きるちから~ | Facebook
津波注意報が出ているから海でのあそびはだめ――。
この「だめ」ばかりはどうにもならないけれど、やはりだめだとテンション下がる。
そんなこどもたちを、ほんの一押し。竹箸つくりをきっかけに流しうどんや竹炊飯まで広がっていくところが、こどもたちのこどもたちたるゆえん(&こどぱにーのすごいとこ)
注意報で海あそびできないという制約もなんのその。
震災から3年が過ぎて、4年目になって、それでも復興はすすんでいなくて、学校が統合されたりとか、放課後の居場所がなくなったままだったり、こどもたちにも震災の影響はたくさんたくさんあって。
でも、当たり前のことながら、こどもたちは今も成長していく。一日一日いろいろなことを経験しながら育っていく。
大人たちには「がんばって復興目指すから、立派な町を造るから、それまで悪いけどこどもたち、ちょっと待っててほしい」という気持ちが大きいのだろうと思う。それはそれでとても立派だし大切なことなのだけど、それでもその時間も、こどもたちは育っていく。
仮の校舎、仮のあそび場なんて、実はこどもたちには存在しない。仮のともだちなんてものがありえないのと同じように。
こどもたちにとっては、いまあるこの環境が生きる場所。
そんなこどもたちを、考えられないくらい個性的で、しかもありえないくらいまっとうにサポートし続けているのが、こども∞感ぱにー。
Ecoキャンプの書き込みや写真を見て、あらためてつくづくそう思う。
大人たちは、こどもたちを次の時代に送り届けていかなきゃならないんだけど、その上でさらに大人もこどももないんだな、なんて思ってしまう。というか「おぉー」とこどもたちと一緒に遊びたくなってくる。
そんなこどぱにーの活動っぷりを見て、応援してくれる人が増えてくれるとありがたいと思うのです。
Ecoキャンプは明日まで。「おぉー」ってエピソードがあったら追加で紹介させていただきたいと思います。
文●井上良太
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