宮城県石巻市黄金浜、灼熱のこどぱにー・ちびひろ
今日の第2弾は自慢話に聞こえるかも。でも、とっても嬉しかったから報告する。
雄勝花物語の花壇から女川経由で石巻に向かった。国道398号「ブルーライン」は、御前浜(おんまえはま)を過ぎたあたりから片側交互通行が何か所も出てくる。地震で道が半分落ちていたり、半分以上落ちている所が巨大な鉄板でカバーされていたり。このところの大雨のせいだろうか、以前より崩落が進んだように見える場所もあった。
雨の日なんかには要注意だ!
相変わらず借りたクルマのエアコンは不調で、予告秒数付きの停止信号が青になるまでの間に、じっとりと汗がにじむ。
たまらん、たまらん、と暑さに文句を言いながら女川の町を抜け、万石浦のほとりを走り、渡波、そして黄金浜。黄金浜にはこどぱにー(こども∞感ぱにー)のちびひろ(ちびっこ広場)がある。土日限定でオープンするこどもたちのあそび場だ。
石巻には何度も来ているのに、土日の黄金浜にはずっと縁がなくて、3月に行って以来いつも無人のちびひろの写真を撮る羽目になっていた。それでも、こどもたちの大工仕事で造られる小屋が、柱を掘っ立てただけの状態から、壁がついて、2階を造ろうとしている気配を感じさせる状態へと「成長」していく様子を、にんまりしながら眺めてきたんだ。
でも今日は日曜日。ちびひろのオープンデイ。ひとつ不安があるとすれば、長野は高遠へのECOキャンプを目前にして、準備やら何やらで臨時休業しなければいいな、とこれまでの不遇さから、ちょっと祈るような気持ちで国道から右折して路地に入った。
広場に造られていた小屋がグレードアップして、たしかに2階部分ができているのが目に入る。その上と下に小さなこどもたちの姿。
「よかったー」
とクルマを降りる。と同時に脳天に激射日光が突き刺さる。
一瞬、あぼーんと足元がふらつく。
小屋の陰からナオちゃんが出てきて、「わー、ボブさん来てくれたんだ~」
たぎさんはガチッと握手の後、「暑いからテントの日陰に入って入って」
と言ってくれたのだが、熱気のせいか2人の顔の輪郭がぼやけて見える。心なしか、2人とも目がテンパってるようにも見える。
「暑いよねー。だから東屋造ろうって話になってるんだけど、完成は9月の予定。それじゃ間に合わないからテント張ったんですよ」
いつもちびひろで大活躍しているお母さんの説明も、
・東屋 → ほしいなー
・完成予定は9月 → だめじゃーん
の二点くらいしか耳に入ってこない。
「真夏の石巻」をぜひとも経験しておきたい! なんて息巻いていたが、この日の暑さは想像を絶するものだった。
しかーし、その時、
日よけテントの隣で、恐ろしいものを発見してしまった。
それは、ごっつい炭の焚火。炭の上に直接鍋が置かれている。
どピーカンの直射日光の下なのに、炭からはチロチロと炎が上がるさままで見えるではないか。
「これじゃあぢーワケじゃん!」
と声に出して、そのばかばかしさに自分で呆れてしまった。
この炎天下、焚火ひとつあるかないかなど大した問題ではない。でも暑さを焚火のせいにしたくなるくらい、とにかく、この日の黄金浜は暑かった。
熱気のせいで、何を話したのかも、実はあんまり覚えていない。なつかしいあの場所とか、あの辺とか見て回って、酷暑をものともせず水遊びに興じるこどもたちや、2階建ての小屋のある部分で声が反響するのを発見したこどもと遊んだり。そうこうしているうち、たぎさんの声が聞こえてくる。
「ボブさーん、お粥できたから食べよう!」
暑さの元凶と変な濡れ衣まで着せた相手ではあったが、お腹は正直だ。テントに向かってしゃきしゃき歩いていく。
正直者はお腹だけではなかった。ひと口食べて、
「う・ま・い!」
これまた声が出た。舌だっていろんな意味で正直だ。
水加減を間違えて堅く炊けちゃったご飯を、ラップもかけずに冷蔵庫に入れてさらにパッサパサになったものを、何とか蘇生してくれ~と炎天下の焚火に掛けて作ったお粥、という触れ込みだったが、
猛烈に美味しかった。刻んだインゲンが散らされてるものもお洒落だった。
みんなが持ち寄った缶詰をおかずに、美味しいお粥をぱくぱく食べる。
遊んで、食べて、時間を過ごせば、炎天下だって気にならなくなる。
どんなに暑くったって、美味しいものは美味しいし、楽しいことは楽しいのだ。
――と学んだひと時なのだった。
あ、暑さのせいで自慢話するのを忘れていた。
たぎさんが再会の握手しながら、こないだ書いた川開きの時のこどぱにーの記事に、ありがとうって言ってくれたんだ。
せっかくの自慢話だから、「見出し扱い」の大きな文字でお届けしよう!
たまに凹んだ時なんかに、これ、繰り返し読ませてもらいます。
たぎさんでも落ち込むことがあるのか、と軽くパンチをもらった感じもしたけど、
照れ隠しにそんなことを思ってしまうほど、戸惑ってしまうくらいにうれしかった。
これまで物書きをやってきて、最高にうれしい言葉だった。
こっちこそ、ありがとう!
これからもずっと、書いていきます。よろしくね!
黄金浜ちびっこ広場
こども∞感ぱにー
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