地震や津波などの自然災害は人間の力で防ぐことはできません。また地震を予知することもできません。しかし、自然災害が発生した時に、どうやって身を守るのかを、事前に考え準備しておくことで、被害を食い止めることは不可能ではないはずです。
考えられる危険
・地震の揺れや停電で停止したエレベータに閉じ込められる
・急にストップしたエスカレーターで将棋倒しになる。圧死のおそれもある
・エスカレーターがユニットごと下の階に落下する。頭上のエスカレーターが落ちてくる
東日本大震災では、多くの方々がエレベーター内に閉じ込められました。エレベーター各社では、地震で自動停止する際に、最寄り階で停止して乗客を安全に下ろすエレベーターや、停止したエレベーターを自動的に判断して復旧させるシステムなどの開発が進んでいます。しかし、運行されているエレベーターの多くは、地震の際に乗客が閉じ込められてしまう可能性があります。
地震の揺れを感じたら、エレベーターの階数ボタンを全部押して、最寄りのフロアで停止するようにしましょう。
映画では天井のハッチから脱出するシーンがよくありますが、現在は落下防止のため外側からカギがかけられていて、ハッチから外に出ることはできません。また、無理に脱出しても、エレベーターが急に動く場合もあるのでたいへん危険です。エレベーター内で救助を待つしかありません。
エスカレーターが停電で止まった時にバランスを崩して誰かが倒れることで、将棋倒しになる危険性があります。大けがにつながることがありますので、ふだんから手すりベルトをつかむように習慣づけておきましょう。
東日本大震災では、福島県と宮城県で複数のエスカレーターが落下する事故が発生しています。ステップ部分や手すり、外からは見えない駆動部分まで含めたエスカレーター全体が、まるごと下の階に落下したのです。
事故の原因はエスカレーターの固定方法にあったとされ、順次改善工事が行われています。しかし、すべての改善工事が完了するまでは、エスカレーター落下の危険は残ります。大地震の際には、乗り合わせている人と声を掛け合い、パニックにならないように心がけて、エスカレーターから離れるようにしましょう。
地震の揺れから生き延びるポイント
・揺れを感じたら、階数ボタンを全部押して最寄りの階に停止する
・脱出後は階段など非常経路を使って避難する
・エレベーターに閉じ込められたら、インターフォンを使って救助を待つ
・乗り合わせた人がいれば、協力して冷静に救助を待つようにする
・エスカレーターに乗る時はふだんからベルトを持つように習慣づける
・エスカレーターが停止したら、周囲の人と声を掛け合ってエスカレーターから離れる
「揺れた時には、まず自分の身を安全に守りましょう」と言われます。具体的には丈夫なテーブルなどの下にもぐりこみ、頭部を座布団などでガードすることが勧められています。