地震や津波などの自然災害は人間の力で防ぐことはできません。また地震を予知することもできません。しかし、自然災害が発生した時に、どうやって身を守るのかを、事前に考え準備しておくことで、被害を食い止めることは不可能ではないはずです。
考えられる危険
・地震の揺れや液状化、津波などで護岸や堤防が決壊する
・海から遡ってきた津波が堤防を越える
・ダムが決壊し鉄砲水が発生する
・水がなかなか引かず、長期間孤立する危険がある
水は低いところへ流れていくものなので、津波の際には海岸の防波堤を越えるよりも早く、河川を遡ることになります。河川の堤防や護岸は河口付近では高く、上流に行くにつれて低くなっている場合もあります。川を遡った津波は、海に近いところからあふれていくのではなく、川を遡上して護岸が低くなったところや、地震で堤防が破壊された場所などから一気に越えて町を襲います。
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、津波は北上川を49km以上遡上したことが記録されています。海の近くでなくても、津波被害の可能性はあるのです。
津波以外にも東日本大震災では、福島県須賀川市の灌漑用ダム(藤沼貯水池)が決壊し、下流の居住地域で多くの命が失われる被害も発生しています。
避難の基本は、川や低地から遠くへ、できるだけ高いところへ逃げることです。
また、堤防などの一部を破壊して津波が流れ込んできた場合、流れが複雑になるだけでなく、いったん浸水した場所の水が引きにくくなる可能性もあります。万一、浸水地域で孤立した場合には外部への連絡方法(携帯電話やメール、旗、地面への文字など)工夫して、救助側に存在を知らせる必要が出てきます。
地震の揺れから生き延びるポイント(川の近くの場合)
・海の場合と同様に、川からできるだけ遠くへ、できるだけ高いところへ避難する
・堤防の一部が破壊され浸水した場合は、水が引くのに時間がかかる場合がある
「揺れた時には、まず自分の身を安全に守りましょう」と言われます。具体的には丈夫なテーブルなどの下にもぐりこみ、頭部を座布団などでガードすることが勧められています。