地震や津波などの自然災害は人間の力で防ぐことはできません。また地震を予知することもできません。しかし、自然災害が発生した時に、どうやって身を守るのかを、事前に考え準備しておくことで、被害を食い止めることは不可能ではないはずです。
考えられる危険
・がけ崩れに呑みこまれる
・がけ崩れによって避難路が遮断される
・ダムの決壊や、川の上流ががけ崩れで堰き止められることで鉄砲水が発生する
山間部の地震災害で被害が大きくなるのは、がけ崩れなど急斜面の崩壊です。中越地震では多くのがけ崩れが発生し、自動車が生き埋めになったり、道路が寸断されるなどの被害が発生しました。
がけ崩れや山崩れ、土砂崩れは地震の揺れの直後に発生するものだけでなく、しばらく時間が経ってから崩れたり、地震後の雨や雪などによって引き起こされるケースもあります。
がけ崩れにはいくつかの前兆が知られており、次のような場合には危険地域に近づかないことが重要です。
・がけの斜面から水が流れ出るようになる
・泥のにおいがしてくる(土に地下水が入ることで泥のにおいがする)
・小石が落ちてくる(斜面の傾斜が変化している可能性がある)
・地中でごろごろと山鳴りがする
がけ崩れによって川の上流が堰き止められ、それが崩壊することで鉄砲水が発生する場合もあります。上空から確認できるような大規模な堰止湖ばかりでなく、倒木などで沢が堰き止められるだけでも激しい鉄砲水が起きることがあり、大地震の後は川や沢には近づかない方が賢明です。鉄砲水が発生する場合には、前兆現象として川の水量が減るといわれますが、降雨中などでは水量の変化がほとんど見られないまま、突然鉄砲水に襲われるケースもあります。
上越地震では、がけ崩れによって集落が孤立するケースも数多く見られました。外部と連絡をとるため、崩壊した道路を迂回して脱出するような場合にも、上記のようながけ崩れや鉄砲水への備えが重要です。無理な行動は極力控えるようにしましょう。
地震の揺れから生き延びるポイント
・土砂崩れに巻き込まれないよう、異変があった時には危険地域に近づかない
・孤立した場合、外部との連絡は十分な安全確保の上で行う
・大規模、小規模を問わず、鉄砲水に注意する
「揺れた時には、まず自分の身を安全に守りましょう」と言われます。具体的には丈夫なテーブルなどの下にもぐりこみ、頭部を座布団などでガードすることが勧められています。