痴女にも遭った話

dodemoe

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 男ながら、痴漢に遭ったことがあります。それも2度。あれって意外と声が出ないものですね。痴漢被害に遭う女性の気持ちがわかった気がします。そんな残念なお話。

エピソード1:アラブ系?

 とある混雑する地下鉄でのこと。部活動の試合に出かける当時高校2年生の僕は、大き目のカバンと体を無理やり押し込んで乗車しました。夏の暑さとひんやりした空調のギャップがなんとも肌寒く、「しばらくの辛抱」と我慢。電車は走りだし、狭い車内ながらひと息つくことができました。

 肌寒いやら汗くさいやらの空間の中、ふと変なにおいが漂います。なんて言うんでしょうか、外国人特有のよくわからない香水のにおいです。ふと目の前を見るとアラブ系?と思しき男が眼の前に。思わず目が合うやいなや、ニッと僕に微笑みかけるのです。 外国人なりの挨拶でしょうか。僕は苦笑い気味ながら表情で“挨拶”を返し、目をそらしました。すると、なぜか彼の指が僕のお腹付近へ!どういうわけか、そのまま円を描くように・・・

エピソード2:白人

 やはり、とある電車でのこと。当時僕は右足が肉離れしていたので、座れる席があるかどうか探しました。それなりに立っている乗客はいたものの、優先席やその付近は空いていたので、僕はそこに座ろうとしました。 ふと見てみると、そこにはスーツを着こなし、ガッチリとした白人が一人。優先席の前はトイレ。そこそこ混んでるはずの電車ながら、見事にこの付近だけ誰も居ませんでした。前回のアラブ系?から4か月。あれは単なる偶然です。躊躇はしましたが、普通は男が男に“何か”をするわけがありません。

 怪我した右足を引きずりながら彼の隣に着席しました。白人の男は僕の方を向き、心配そうに「大丈夫デスカ・・・?」とひと声。心配してくれているのだろうか。彼の左手はなぜか肉離れで痛めている僕の右ふとももに。そして・・・

エピソード3:長髪美女

 高校生の僕はちょっとしたトラウマを抱えて生きていました。男でありながら痴漢に2度も遭ったわけです。もちろん、どちらも途中(?)で逃げたわけですが。何がつらいって、男でありながら、女性より男性に魅力を評価されていることに他ならない点です(しかも外人)。以来、得意だったはずの英語は成績がガタ落ち、偏見だと分かっていても海外や外国人に嫌悪感すら抱いていました。

 3年生に進級したある日のこと、やはり混雑した電車に乗っていると、長髪の綺麗な女性が目の前に来ました。20代後半でしょうか。かわいいというよりは美人な女性です。きりっとした目つきは江角マキコを思わせます。 目の前に外国人がいるわけでもなく、気を抜いて携帯電話をいじっていた僕。しかし、段々と様子がおかしいことに気付きます。そう、女性が徐々に僕に近づいてきているのです。

 電車の位置はカド。女性は僕を覆うかのように近づいてきます。どうしたことかと目を見ると、えくぼがくっと上がり、「ふふん」と微笑みかけてきました。「これはアラブ系?の時の痴漢と同じだ!」気づいた時には遅く、彼女は僕の腕を掴んできました。 「えっ、えっ、」、戸惑っていると彼女は掴んだ僕の腕を引っ張ります。何がしたいんだろう・・・。状況が飲めずにいましたが、徐々に読めてきました。彼女、僕に自分の胸を触らせようとしているのです。慌てた僕は手を引こうとしましたが、細い腕ながらしっかり僕の腕を掴む彼女。ぐいぐいとよくわからない引っ張り合いが繰り広げられました。もはや自分が気を許せば手が胸にあたります。

 なんとか振り払い、降りるはずの無い駅で降りてしまった僕。友人との待ち合わせに遅刻しました。遅れたことについて謝ると、

電車は今日も行く・・・

「いや、そこはお前ありがたく触っとけよ!もったいない(笑)」 一瞬それも考えました。なんと言っても初めて女性に認められた気がしたのです!今までの「痴漢被害」という不幸を思えば、実はちょっと嬉しかったのかもしれません。

 ・・・が、その瞬間どう見ても僕が痴漢です。触ったとしても触らなかったとしても残念な結果が待っているのでした(?)。

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