2012年11月1日から18日までタイ王国でFIFAフットサルワールドカップが開催されています。全世界から24ヵ国のナショナルチームが参加し、優勝に向けて熾烈な争いを繰り広げています。日本はJリーグから三浦知良を召集し、ペルーから森岡薫を帰化させて大幅に戦力を強化しました。今回はフットサル日本代表として活躍する逸見勝利ラファエル選手のプレーの魅力に迫ります!
国籍:日本 生年月日:1992年7月30日(20歳)
出身地:ブラジル身長:168cm
体重:70kg
在籍チーム:名古屋オーシャンズポジション:フィクソ
背番号:8
夢を叶えるために日本に渡った日系ブラジル人
日系ブラジル人の両親のもとに生まれた逸見勝利ラファエル。日本に生まれて2歳でブラジルに渡り、6歳でフットサルを始めます。プロのフットサル選手になりたいという本人の夢を叶えるために15歳で家族と共に再来日を果たしました。
練習試合での活躍がFリーグの『名古屋オーシャンズ』関係者の目にとまり下部組織へと入団。2010年に日本へ帰化するとトップチームに昇格します。その後、日本代表にも選出されて2012年アジア選手権では全試合でゴールを奪い、日本を優勝に導くと共に大会MVPを獲得しました。
今後10年間、日本代表を背負っていく逸材
今回のワールドカップでは20歳というチーム最年少で代表に選出された逸見ですが、日本のフットサル界が彼に寄せる期待は大きいと言われています。幼少時代からフットサルの本場であるブラジルで鍛えられた逸見は、フットサル選手として10年以上のプレー経験を持ち、プロ選手としても4年のキャリアを持ちます。他の日本人選手はサッカーからフットサルに転向する選手が一般的ですが、逸見のようにフットサル専門の選手は希有です。
基本的な技術が非常に高いのが特徴で、相手の足の届かないところにボールをコントロールし、タイミングのいい正確なパスを安定して供給することができます。日系ブラジル人にしかマネできない独特のプレー感覚を持つ逸見は、今後の日本代表を10年間リードできる存在だと言われています。
ボールテクニックに優れた超攻撃的フィクソ
逸見勝利ラファエルのポジションはフィクソ。攻守の起点となるフットサルの司令塔です。日本代表の同ポジションには攻守のバランスに優れた小宮山友祐がいますが、逸見は高い得点力が自慢の超攻撃的フィクソです。ボール扱いの巧みさは天下一品で、プレッシャーのかかるエリアで相手DFに囲まれてもボールを失うことはありません。
『軸裏フリック』と呼ばれる軸足の裏にボールを通すトリッキーなダイレクトパス、ボールを足裏で止めて後方に引き、軸足の後方から斜め前方にボールを送り出す『クライフターン』など、多彩なフェイントを繰り出してアタッキングサードを突破します。
予選グループリーグのポルトガル戦では森岡薫から受けた横パスをダイレクトで強烈な右足シュート!針の穴を通すかのように正確なコースに飛ばされたボールは、相手GKの脇をすり抜けてゴールマウスのサイドネットに突き刺しました。5-5の追いつく値千金の同点ゴールは全世界に衝撃を与えました。
前に出過ぎるプレーに問題あり、守備は課題
フィクソという最後尾のポジションを務める以上、守備能力の高さは必須条件です。逸見勝利ラファエルはボールテクニックとドリブル突破に自信を持つ余り、リスクを考えずに前に出過ぎてしまう傾向があります。セーフティーなパス交換を要求される自陣ゴール前でも、強引にドリブルを突っかけてボールを奪われ、カウンターを食らうケースも少なくありません。
判断力の正確性とスピードに欠ける面があり、所属クラブの名古屋オーシャンズではポルトガル代表のリカルジーニョにレギュラーの座を奪われています。今後、守備意識を高めていくことが大きな課題だと思います。
総括
20歳で初のワールドカップを経験した逸見勝利ラファエル。年齢的には4大会連続の出場も狙えると思います。守備時の安定感、状況判断の正確性は今後の課題ですが、まだまだ十分に伸びしろのある選手です。次回のワールドカップでは間違いなく日本の中心になる存在だと思います。超攻撃的フィクソとして世界を驚かすような選手に成長することを期待します!
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