【サッカー日本代表】 日本VSブラジル・・・対ワールドクラスでジャパンブルーが得たもの 《欧州遠征》

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日本代表は欧州遠征でフランスとブラジルと対戦するという貴重な機会を得られました。ザックジャパンにとっても日本のサッカーが世界にどこまで通用するのかを図る為の重要な遠征です。今回は10月16日に行われた日本対ブラジルの対戦レポートをお届けします!

日本の思惑通りの展開だったが・・・

フランスに1-0の勝利を収めたものの、圧倒的に押し込まれる時間が多かったことから、ブラジル戦ではディフェンスラインを高く保って高い位置でボールを奪い、中盤でポゼッションをリードすることが日本の狙いでした。1トップにキープ力のある本田を置いて中央でDFを食いつかせ、その周りを香川と清武が衛星のように回りながら、少ないタッチでボールを回し、ダイレクトプレーを多用してDFを崩します。前半9分、ゴール前で香川のダイレクトパスを受けた本田がフリーで打ったシュートはGKのセーブに阻まれますが、まさに狙い通りのプレー。

前線から激しいプレスをかけてボールを奪い、スピーディーなパスワークでゴールに迫るという攻撃はブラジルのディフェンスを混乱に陥れました。しかし先制点を奪ったのはブラジル。前半12分、前線に上がってきたボランチのパウリーニョが一瞬空いたシュートコースを見逃さず、約35メートルのロングシュートをゴール左隅に突き刺します。更に前半26分、ペナルティエリア内でハンドを犯した今野がPKを取られ、これをネイマールが冷静に決めて2点目。

理想のサッカーを追求した結果、0-4のボロ負け

2点を先取されても日本は臆することなく攻撃的なサッカーを展開。後半に入ってもサイドバックの長友と酒井宏樹が高い位置を取って攻撃に参加します。ブラジルは最終ラインでゆっくりとボールを回すと、日本のボランチとサイドバックが上がってきた瞬間、背後のスペースに縦パスを入れてカウンターを狙います。前線の4人、ネイマール、カカ、オスカル、フッキが流動的にポジションを変えながらスペースに走り込むと、オーバーラップした日本のDFは自陣に戻り切れず、個人のスピードとテクニックで振り切られて何度も決定機を作られます。

後半3分、ブラジルの右コーナーキックを長友がクリアしきれず、ボールを拾ったネイマールは左足で即シュート。ボールはDF吉田の足に当たってコースが変わり、GK川島が反応できずに3点目を献上。後半31分、吉田のパスをパウリーニョにカットされ、前線に走り込んでいたカカにスルーパスを通されます。前がかりになっていた日本のDFは自陣ゴール前に戻り切れず、カカはドリブルで独走するとゴール右隅にダメ押しの4点目を決めました。

ブラジルにしか見えない勝負の隙

『技術、戦術、運動量』全てにおいてブラジルに劣っていた訳でもなく、中盤でポゼッションをリードして理想的なサッカーを展開していたはずの日本。しかし、終わって見れば0-4の大敗。結局のところ、ブラジルは勝負どころを知っていたということでしょうか。1点目のパウリーニョのロングシュートも、日本の守備陣形が崩れたわけでもなく、僅かなシュートコースを突かれて決められてしまいました。

GK川島も35メートル付近から打ってくるとは思わず、シュートに対する準備が遅れました。この辺りがワールドクラスにしか見えない隙なのでしょう。 2点目のネイマールのPKもしたたかでした。蹴る前からGKを挑発するように大きなステップを踏み、助走を大きく取るとGKの川島が動いた瞬間にゴールど真ん中にシュートを突き刺しました。ボールを蹴る前から周到な駆け引きをしています。

4点目のカカのゴールも完全にブラジルの術中にハマっています。中盤でボールを回させるだけ回させて日本の両サイドバックとボランチを自陣に誘き出すと、その裏にボールを通されてカウンターで失点。日本は前線から中盤にかけて献身的なディフェンスしても、ブラジルに最終ラインでボールを回されて体力を消耗し、ディフェンスラインを上げてコンパクトな陣形を保ってもサイドバックがオーバーラップした瞬間に裏を突かれてカウンターを食らう。バイタルエリアから華麗なパス交換でゴールに迫ってもDFに潰されてしまう。

フィニッシュに持ち込めなければ意味がない

日本はサッカーをしていたけど勝負をしていなかったように思えます。相手ゴール前であれだけボールが回っていたのにも関わらず、ほとんどフィニッシュに持ち込めませんでした。後半から香川がトップ下に入り、中央で本田と香川が前を向いてボールを持つようになると、幾らかシュートに結びついていましたが十分とは言えません。サイドハーフの清武と乾はバイタルエリアからショートパスを交換するだけで、ドリブルやシュートを狙う突破のプレーが全く見られず、DFに脅威を与えられませんでした。

ボール回しの上手い選手を前線に揃えればポゼッション率は上がりますが、ゴール前でフィニッシュに到らなければ、ボールを奪われた後にカウンターを食らって悪循環を招きます。日本のベンチには縦に強いドリブルを持つ宮市亮や、質の高いフリーランから一気にシュートまで打てる佐藤寿人など、バイタルエリアで勝負できるプレーヤーの存在がありました。ザッケローニ監督は今まで通してきた戦術の哲学を崩さず、あえて思い切った選手交代を避けたのかもしれません。しかし、相手がワールドクラスになるとテクニックに優れたパサーを揃えてもディフェンスを崩し切れないことを思い知らされたと思います。

総括

1勝1敗で欧州遠征を終えた日本代表ですが、収穫と課題が明確に見えたことは大きいと思います。今後はアジアで戦うスタイルと世界で戦うスタイルを分けて考えなければならないでしょう。ワールドカップでベスト8以上の結果を残す為、ザッケローニ監督には思い切った戦術の変更と選手交代を望みたいと思います。

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