新城島 - 定期航路の無い”パナリ”島(沖縄・八重山諸島)

shima

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過疎が進んでも、美しさはそのままに

 八重山諸島・新城島(あらぐすくじま)は、黒島~西表島間12km程度の間に挟まれるように位置します。地図を見ると「!」の記号のように、上地島、下地島に分かれていますが、2島合わせて新城島。八重山の人たちは「パナリ島(="離れ"の意味)」とも呼ぶようです。定期航路はありません。人口は10人前後の小さな島なのです。 では何で上陸するかというと、石垣島、西表島、黒島などの周辺離島からのツアー船。新城島ツアー(もしくはパナリ島ツアー)として半日~1日程度のツアーが組まれています。それだけに誰もが訪れる島ではありませんが、それがむしろ島好きの好奇心を掻き立てるとも言えるでしょう。八重山の旅先では、新城島が観光客同士の話題のネタとなることも多々ある印象です。

 何より驚かされるのは、少ない人口ながら島中に手入れが行き届いている点!歴史をさかのぼれば500人以上の人口を数えたこともある新城島ですが、過疎化の波は止められず、気が付けば10人前後まで人口が減りました。ところが、小さな集落がある上地島では、郵便ポストや廃校跡、集落の道路やビーチまでの遊歩道など、とても綺麗に整えられているのです。ありがちな寂れた印象がありません。どのツアーも遊び通しになると思いますが、そんな時こそ休憩時は静かで温かみのある景色が嬉しかったりするもの。休憩を兼ねて島内散策なんか良いかも知れません。ほっと癒されるはずです。 島の周辺は透き通らんばかりの青の海。雑草が溢れることなく整えられた歩道から続く民家や廃校跡、遠見台。10人前後にまで人口が減ってもなお、寂れた様子が微塵も無いのは、島民の方々の心配りがあってこそ。一部立ち入り禁止の御嶽や撮影禁止の神社と言った聖域もありますが、これも大切な文化を損なわないために配慮された措置。古い時代より残された美しさは、島民の方々の手によって大切に守られています。おかげで滞在中はのんび~りくつろげるのです。

新城島の見どころ

新城島は集落のある上地島がメイン。上地島には民宿とツアー業者が一軒ずつあります。下地島にもかつては集落があったそうですが、今はパナリ牧場の従業員が2名と数百の牛が暮らしています。(2012年現在)

景色を楽しむ

集落(上地島)(場所)

砂利道が続く集落です。車一台が通れたら良い程度の幅ですが、観光客にはまず車は関係がないと言えるほど、歩いて楽しみたい一帯です。商店も無ければ、駐在所も無く、自動販売機もありません。あるのはいくつかの民家、民宿と廃校跡くらいのもの。「ふだんは石垣島に住み、新城島にも家がある」という人も多いそうです。何かと「ない」島ですが、面白いのが石垣の脇に目立つ郵便ポスト。こちらは週2回、きちんと郵便船が集荷にやってくるとか。小規模集落から世界と通信可能な唯一の窓口だと思うと、なんだかじーんときます。本土での日常生活だとポストになど目もくれませんが、離島だとこういうポストひとつとっても、何だか格好よく見えてきませんか・・・?

廃校跡(上地島)(場所)

3段の高さの古びた鉄棒があり、そこが廃校跡だとわかります。神秘の島とは言うものの、この廃校跡は良い意味でその神秘さとは無縁。キャンプ場のように均された広場は陽当たりも良く、開放感も抜群です。思わず大の字で寝転がりたくなるような、そんな場所。実際に日帰りツアーなどの休憩地としても利用されていますが、のんびりしすぎて置いていかれないように・・・。

クイヌパナ(上地島)(場所)

港から1分もかからない程度の場所にある展望台。草木を掻き分け石段を登っていくと、東シナ海の景色が広がります。天気が良ければ小浜島、西表島もくっきり。写真を撮るには絶好の場所ではないでしょうか。展望台の上にはバラス(珊瑚のかけら)がたくさん散らばっていて、ここもサンゴの島なんだと感じます。

タカニク(上地島)(場所)

八重山諸島に18か所点在する遠見台。ほかの火番盛と同じく通信手段として狼煙を焚きました。珊瑚石のつみ上げが特徴的。また、ここから八重山式土器や輸入陶磁器も発掘されています。

パナリ焼出土地(上地島)(場所)

島の真ん中にあるパナリ焼の出土地です。パナリ土器とは、かつてこの島で多く作られていたと考えられる素朴な焼き物。鍋や水がめ、香炉、骨壺など色々な用途としてつくられ、八重山各地に流通していたそうです。作り方は、島で採れる粘土に、カタツムリや貝の殻を混ぜて成型したという、まさに新城島ブランド。土が良質でなかったために、島で採れた貝殻が土を繋ぐ役割を担っていたとか。最後は南国の強い日差しを活用した天日焼成!装飾がほとんどない、素朴な味わいがあったようです。

下地ビーチ(下地島)(場所)

色鮮やかな海が特徴的なビーチです。八重山諸島の中でもあまり人が訪れない、秘境とも呼べる新城島。浜は一見殺風景なのですが、海は「手つかず」と言っても差し支えないほどの美しさを誇ります。シュノーケリングにも最適で、このあたりはカクレクマノミがたくさん!全体的に青みがかった海の中でカクレクマノミのオレンジ色は良い感じに栄えます。

中森(波照間ムリ)(下地島)(場所)

下地島にある遠見台。平坦な下地島では一番の景色が見渡せます。ただし訪れるには牛だらけの牧場を抜ける必要が・・・。

パナリ牧場(下地島)(場所)

下地島は数百の肉牛と2名の従業員が暮らします。まさに島全体がだだっ広い牧場なのです。海風にあたって栄養満点の草が美味しい牛を育てます。時間が止まったかのようなのんびりした風景もたまりません。ただ、牛と目線が近するためか、人によっては立ちすくんで動けない・・・なんてこともあるとかないとか。

新城島の情報あれこれ

【名 称】新城島(あらぐすくじま)上地、下地

【所在地】

 沖縄県八重山郡竹富町
maps.google.co.jp  

(地図)

【面 積】1.76㎢(上地)

1.58㎢(下地)

【周 囲】6.2km(上地)

4.8km(下地) 

遊 び

海水浴、シュノーケリング、散策、サイクリング

食べる

沖縄料理

お土産に

貝殻

マスコット

 ピカリャ~
potaru.com

(竹富町観光協会)

う た

くいぬぱな節、越後節

島内のルール

島内はキャンプ不可、御嶽は立ち入り及び願掛け禁止(祭司以外では男子禁制)、人魚神社は立ち入り及び撮影禁止

新城島へのアクセス

船を利用する

定期航路なし

※ 石垣島、西表島、黒島の民宿及びツアー業者にて新城島ツアー船あり。※ 島内唯一の民宿に宿泊する際もツアー船に同乗すること。

 宮古・八重山地方
potaru.com

(島プロフ一覧)

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