【なでしこジャパン】 日本VSスウェーデン・・・スコアレスドロー!攻撃にダイナミズムを求めたい 《ロンドン五輪》

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日本VS南アフリカ 《対戦レポート》 思惑通りの2位通過、メダル獲得への執念か?ロンドンオリンピック開催日に先立ち、男子・女子サッカーの試合が始まりました。今回は7月28日に行われたなでしこジャパンのグループリーグ第二戦。日本VSスウェーデンの試合を振り返ってみたいと思います!

静かな立ち上がり、互いに様子を見合う

予選グループリーグ第二戦はなでしこジャパンにとって一番の難敵と思われるスウェーデン代表との一戦でした。昨年のドイツワールドカップでは3-1と大勝した相性の良いチームとはいえ、スウェーデンは初戦で南アフリカに4-1という大量得点を奪って調子を上げています。日本は初戦と全く同じメンバーでフォーメーションは4-4-2といういつもの構成。一方のスウェーデンはエースのシェリンをワントップにした4-5-1という布陣で挑みました。互いの様子を見るように静かな立ち上がりを見せた両チーム。スウェーデンはトップ下に3枚の攻撃的ミッドフィルダーを置き、サイドアタックから高さとスピードのあるシェリンにクロスボールを送り、セカンドボールを拾って遠目から積極的にシュートを狙うという作戦でした。

運動量の上がらない日本は攻め手を失う

日本は最終ラインからトップまでの距離をコンパクトに保ち、速いパス回しからゴール前に人数をかけて得点を狙いにいきますが、中2日という厳しい日程の影響もあるのか運動量が上がりません。1人がボールを持った瞬間に2人目3人目が同時に動き出すことで数的優位を作り、細かなパス交換を中心としたコンビネーションプレーでディフェンスを崩すのが日本のスタイル。運動量が上がらないことで選手間の距離が離れてしまい上手く連携が取れない状態が続きます。

バイタルエリアから川澄と宮間が個人技で突破を図ろうとしても、フィジカルに劣る日本は一対一で勝つことができません。ボランチの澤が鋭い縦パスをスペースに入れても、一本のパスではディフェンスを崩し切れず単調な攻撃に終始します。対するスウェーデンもスピードのあるシェリンに何度も縦パスを入れますが、DF岩清水の巧みな対応に手こずり、前を向いてボールを持つことができません。時折見せるミドルシュートも精度を欠き、攻撃に怖さがありませんでした。

田中明日菜の投入で流れが変わる

攻め手を欠く日本は後半14分、動きの鈍い澤に変えて田中明日菜を投入します。田中は持ち前の運動量を生かして攻撃陣を積極的にサポート。ボランチであるにも関わらず自陣からペナルティエリアまで飛び出して中盤を活性化させます。運動量のある田中が入ったことにより選手間の距離が縮まり、攻撃が有機的に連動し始める日本。サイドバックの鮫島と近賀のオーバーラップからサイドを切り崩してゴールに迫ります。後半35分にはドリブルが持ち味の岩淵を投入して決定的なチャンスを作りますが、フィニッシュの精度を欠いてゴールを奪えません。試合はこのままタイムアップ、スコアレスドローという結果に終わりました。

中盤の連携は進化しているが、フィニッシュに難

得点こそ奪えなかったものの、選手間のコンビネーションは初戦に比べて進化しているように見えました。カナダ戦では左サイドで孤立していた川澄も、中盤でタメを作りながら鮫島のオーバーラップを上手く引き出していました。右サイドから展開する宮間と近賀のサイドアタックも、初戦と比べると連携がスムーズだったように思えます。問題はフォワードの決定力不足にあると言えますが、フィールドプレーヤーが全体的にゴールから遠いポジションでプレーしていたことで、選手本来のシュートレンジからゴールまでの距離が少し長かったように感じます。チーム全体の運動量が少ないことが原因ですが、フォワードがもう一つ前のエリアでプレーする時間帯が増えればシュートもしっかりミートできたのではないでしょうか。

コンビネーションが機能しなければ個人技で

これから約10日間で最大4試合を消化しなければならない厳しい日程の中、運動量が上がらない試合も必ずあると思います。日本は細かいパスを多用したコンビネーションに頼ることでしか攻撃の形を作れないのでしょうか。筆者はそうは思いません。後半から投入された岩淵選手はバイタルエリアに向かってドリブルで持ち込み、ディフェンダーを一人で何人も引きつけていました。チームに運動量がなければ突破力のある選手を中盤に配置することで攻撃のリズムを作ることは可能だと思います。

現在フォワードで起用されている大野選手などは、激しいプレッシャーを受けても一人で長い距離をドリブルで持ち込む力がありますし、控えの丸山選手も同様にサイドからのドリブル突破を得意とするプレーヤーです。こういった個人技に優れた選手を中盤で使うことにより、バイタルエリアでオフェンスが連動しなくても個人の突破からチャンスを作ることができるのではないでしょうか。

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レギュラーメンバーにこだわらない臨機応変さも必要

中盤の澤と宮間のコンディションが上がってこないことが心配されていますが、サブメンバーには田中明日菜のように調子の良い選手もいます。レギュラーメンバーの運動量が上がらなければコンディションの優れたサブメンバーを優先的に先発起用するなど工夫が欲しいところです。また、フォワードの決定力不足も問題視されていますが、シュート精度に長ける川澄をフォワードに配置するなど思い切ったポジションの入れ替えも必要でしょう。

総括

守備では無難な働きを見せるなでしこジャパンですが、昨年のワールドカップで見せたような攻撃陣の爆発は鳴りを潜めています。今のままではメダルの獲得も危ぶまれる状況にあると思われます。チームに高いモチベーションを与えるような強い刺激が必要なのかもしれません。こんなときこそ、エース澤の得点に期待したいと思います。

関連リンク

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 【なでしこジャパン・選手名鑑】 《プレースタイル》 全選手・リンク集
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