7月3日午前11時31分、東京湾を震源地とするマグニチュード5.4の地震が発生しました。被害につながるような地震ではありませんでしたが、千葉県、神奈川県、静岡県の一部で震度4、福島県から山梨県までの広い範囲で震度3の揺れが観測された地震でした。ガタガタというP波の振動に続いてS波の揺れに見舞われた瞬間、パソコンで気象庁の地震情報ページを開きましたが、すぐに詳しい情報が更新されるわけではありません。
「どこで起きたんだろう。どれくらいの規模の地震だったんだろう」ネットやテレビ・ラジオで地震の情報が伝えられるまでの数分間はとても長く感じられるもの。その間の不安は言い知れないものです。しかし、全国の揺れをほぼリアルタイムで伝えるホームページが7月2日から運用を始めていたのです。
そのページは「防災地震Web」。
全国1800以上の地点で地震観測を行っている、独立行政法人防災科学技術研究所(NIED)が開設したホームページです。ページの構成は以下のとおり。
◇24時間以内に発生した地震の震源分布◇最近の震源情報(AQUA)
◇現在の日本列島の揺れを示す強震モニタページ右上に配置されている強震モニタは、日本地図上に表示された地点での現在の揺れがリアルタイムに観測され、画面は2秒ごとに自動更新されていきます。
だから、地震の揺れを感じた時、すぐにこのページを開けば、どこが揺れているのか、揺れの大きさはどうなのか、揺れているエリアはどう広がっているのかがアニメーションを見るようにように視覚的に理解することができるのです。比較的大きな地震では、震源、マグニチュード、メカニズム解についてもAQUAシステムによって解析・表示されます。地震発生の0秒~数秒のうちに震源の場所と深さを推定、さらに2分~8分のうちには50%以上の品質でのメカニズム解情報も表示されます。
メカニズム解は発震機構解ともいわれるもので、個々の地震で発生した断層の走向(地震で破壊された断層の方向)、傾斜角(破壊された断層の角度)、すべり角(逆断層か正断層か横ずれ断層かがわかる)が、“ビーチボール”ともよばれる塗り分けられたボールのような姿で分かりやすく表示されます。各地の揺れはもちろん、地震の大きさ(マグニチュード)や地震のタイプまで、速報として知ることができるのが「防災地震Web」なのです。
大きな地震が発生した時、まず何をすべきか、次にどんな危険を回避しなければならないか。減災のための具体的な行動をとる上で、きっと役立つことでしょう。防災を考えるみなさんには、ぜひブックマークしてほしいページです。
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