【気になる】「米トレーサビリティ法施行」元年

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米トレーサビリティ法

  ある時期を境にこんな看板をよく目にするようになった。「ウチはちゃんと国産米を使ってますよー」っていうアピールだと思っていた。やはり自身が口にするものは安心でおいしいものが良い。「いい心がけだ」・・・なんて考えていたが、瞬く間にどのお店でも見るようになった。安心のアピール、確かにそれもあるようだが、実は法改正により義務化されたのだ。

米は日本?

 米菓などの米製品にしても同様だ。パッケージの裏には米の使用表示とともに産地まで記載されるようになった。筆者は勝手なイメージで、「米は日本」と信じ込んでいたが、大手メーカーを含め、結構な割合で海外米使用していることが伺える。米所である新潟県に拠点を置くメーカーでさえ、国産米を使用しないことも珍しくない。 この背景には米トレーサビリティ法という法律の全面施行がある。(2011年07月01日より施行) つまり2011年の7月を境に法律そのものが変わったのである。トレーサビリティとは、直訳すると「追跡可能性」という意味だ。つまり生産者から生活者に渡るまでの、流通における「経路」を特定できるようにする仕組みのことである。野菜などの青果は先駆けて取り組んでいたものだが、汚染米や産地偽装などの問題が頻出していた米業界においても、ついに義務化に至ったのだ。 

何が安全?

 また、話はやや前後してしまうが、昨今の東日本大震災の影響もあり、米の安定供給の困難、東北産米における放射能汚染の不安などもあり、各メーカーとも対応に追われた。国産米と言えど、風評被害が飛び交ったこともあり、安全性が疑問視されているのが実情だ。これを受けて新潟県産米の価格は軒並み高騰しており、産地偽装が指摘された卸業者もいる。その矢先の法改正である。各メーカーの対応も様々で、一貫して国産米100%使用の姿勢を崩さない岩塚製菓、米の産地やブレンドの比率を変更した他メーカーなど、このあたりはそれぞれ自社基準の判断だ。これらの取り組みは、購買層の変化など少なからず影響していると思われる。

(みりん・・・タイ産、中国産、国産という並びは使用比率の高い順番である) 

 何をもって安心安全と言えるかはわからない。表示はあくまで表示であり、自分自身で良し悪しを見抜けるようになる必要がある。

◇参考ページ◇2012年~『東日本大震災:いすみ市、給食食材の放射能検査をあすから開始 /千葉』 (毎日新聞 2012年04月15日)

『産地偽装業者が破産申請へ 宮城の米穀卸会社』 (産経新聞 2012年04月23日)『コメ産地不適切表示で改善指示 愛知県(愛知県)‎』 (日テレNEWS24 2012年05月11日)

◇参考ページ◇施行当時『外食店のご飯も、米加工品の原料米もお米の産地が分かります!』 (政府広報オンラインHP 2011年06月)

『コメ産地表示どうすれば… 来月から義務化』 (大分合同新聞社 2011年06月24日)

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